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【5分で分かる】今さら人に聞けない「ザ・イエロー・モンキー」の全て

加藤広大 加藤広大


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The Yellow Monkey『Romantist Taste』

Reference:YouTube

若い頃の吉井さんは本当にロックスター然とした風貌をしていて(もちろん、今もです)、そのセクシーさと男らしさが壁一枚隔てて同居しているその様は、まるで山口冨士夫かはたまた沢田研二か、という具合で、男のわたしから見てもドキドキしてしまいます。このセクシー加減を年頃の女の子が目撃してしまった日には、こりゃもう恥じらいを指で押しながら蜜の味で身体中の骨を溶かすテンプテーションですよ。

“昔聴いた好きな曲”というものには、記憶を想起させたりする、再生装置のような一種不思議な力があるものです。冒頭でも少し触れましたが、イエモンはもちろん、ロックに拘泥し、麻雀をやり過ぎてまずい成績で高校を卒業、地元群馬県から東京にやって来ても、イエモンは常に日常のBGM、むしろ人生のサウンドトラックとして流され続けていました。中目黒に1人、舞い散る桜を観ながら聴いた『花吹雪』、辛いことがあった夜に聴いた『Father』、好きな子ができた時に聴いた『LOVE LOVE SHOW』、カラオケで歌いまくった『Suck Of Life』。誰しもそんなアーティストや曲があるように、わたしも、今でもイエモンの曲を聴けばいろんな思い出が事細かに、割と美化されて蘇ります。

思い出話はこのへんにして、イエモンの音楽性について少し触れてみようと思います。10年ほど音楽バーで呑んだくれていて気付いたことがあるのですが、音楽好きの30代くらいの方は、イエモンを愛聴している、または過去愛聴していたことがある率が非常に高いということが、肝臓を犠牲にしたフィールドワークにより判明しています。

だいたい、音楽バーにて初対面の時に「どんな音楽を聴くのか」という話をする際は、カッコつけて洋楽の名前を言い合って探りを入れながら「こいつは知ってる、知らない」と、音楽の趣味と持っているレコード枚数で人間を判定をしていくものなのですが(これ、文字にすると滅茶苦茶嫌な感じですね笑)、で、話している間にイエモンの話はまったくしないまでも、好きなアーティストを言い合ったり音楽遍歴を話していくに連れ、「もしかしたら、こいつ絶対イエモン好きだ」という、直感を感じる瞬間があります。そして

「あ、あのさ、もしかしたら、イ・・・・・・イエモン好き?」

と尋ねると、ほぼ確実に、好き、または大好き、という答えが返ってくるか、満面の笑みで握手を求められ、その後2時間は世の中のアーティストすべてほったらかしでイエモントークが繰り広げられるという、半径80cmほどの、とても幸せな空間が出来上がります。実際今までこの質問で外したことはありませんし、これで仲良くなった人が何人もいます。そして交流が途絶えた人は1人として居ません。

そんなわけで、日頃サブカルトークで凌ぎを削り、無駄に精神をすり減らしている偏屈音楽好き達にも愛好されるイエモンですが、ライト層も含めて多くの支持を得ている理由は、そのヴィジュアルを差し置いて、音楽性の懐の深さと多様性にあります。端的にいえば、それは海外のグラム・ロックなどのルーツの他にも、日本の歌謡曲、ポップスの要素が多く取り入れられているからに他なりません。これは、吉井さんが昨年発表したカヴァー・アルバム『ヨシー・ファンクJr. 〜此レガ原点!!〜』からも明らかです。その証拠は、本作を音楽番組仕立てにしたMVにしっかりと収録されていますので、動画を貼らせていただきます。

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