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【祝アニメ化】「ジョジョの奇妙な冒険/第4部」に登場するスタンドの元ネタ音楽を全曲解説

加藤広大 加藤広大


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サーフィス/間田敏和(はざまだ としかず)

Reference:YouTube

間田敏和は、「スタンド使いはスタンド使いといずれひかれ合う」という、重要な名言を残したわりには、ヘタレキャラとして知られています。

しかし、彼のスタンド「サーフィス」は、触れた相手の姿形から性格までの全てを等身大の木製デッサン人形にコピーできる、という男にとっては非常に夢のあるスタンドです。ですが、そこはさすが少年誌、性格までコピーできるということが仇となり、コピーした人形は時に言うことを聞いてくれないというオチがしっかりついていました。青少年の夢を粉々にしてくれる弱点を持っているとともに、「世の中そんなに甘くない」という教訓を与えてくれるスタンドです。

この元ネタは、アメリカで1983年から94年まで活動していた「The First Time」などのナンバーワンヒットで知られるバンド、「Surfece(サーフェス)」に由来しています。

実は私、このバンドを知らなかったのですが、メロウな曲調が耳に心地良いですね。特にベースのデヴィッド・コンレイが、パーカッションやサックス、R&Bには珍しいフルートまで自分で吹いているのが印象深いです。ピンク・フロイドを爆音で聴いた後だったので、だいぶ癒されました。

曲は前出の全米1位を記録した「The First Time」です。

ラブ・デラックス/山岸由花子(やまぎし ゆかこ)

Reference:YouTube

多くの純情な少年を女性恐怖症寸前までに追い込んだであろう、愛に狂ったストーカー山岸由花子が操るラブ・デラックスは、イギリスのバンド「sade(シャーデー)」が1992年に発表したアルバム「Love Deluxe(ラヴ・デラックス)」から取られています。恋多き彼女の姿は、山岸由花子とシンクロします。かと言って、単語帳で作ったコーンフレークを食べさせたり、電気椅子を自作したりはしないでしょうが……。

紹介した曲はラヴ・デラックスの1曲目「No ordinary love(ノー・オーディナリー・ラヴ)」です。確かに、タイトル通り山岸由花子の恋愛は普通ではありません。

ちなみに、シャーデーはよくシンガーソングライターだと間違われますが、正しくはバンドです。テストには出ませんが、飲み屋でおっさんに怒られる可能性がありますので、覚えておいて損はないでしょう。

パール・ジャム/トニオ・トラサルディー

Reference:YouTube

料理の中に入り込み、食べた人の不調を治す異色のスタンドを操るのが、4部の舞台、杜王町でイタリア料理店を営むトニオ・トラサルディーです。

元ネタはそのまま、アメリカのオルタナティブ・ロックバンドにして、ニルヴァーナと双璧をなし、グランジ・ロックとも呼称された「Pearl Jam(パール・ジャム)」です。ケネディ政権の時代から、ベトナム戦争が終結する頃までの時代に生まれた、「ジェネレーションX」という若者世代の苦悩を代弁するバンドとして、多くの少年たちの支えになりました。トニオの料理も、パール・ジャムと同じように、作中で肩こり、腹痛、寝不足などを治し、健康を支えてくれます。

私も肩こり、疲れ目、喘息、胃弱と酷いので、「本当にあったらいいなあ」と思うスタンドのトップ3に常に入ります。

さて、元ネタであるパールジャムは、アルバムごとに曲調がかなり変わるので、今回はファーストアルバムの1曲目「Once」という曲を選ばせていただきました。

アクトン・ベイビー/静(しずか)・ジョースター

Reference:YouTube

最年少のスタンド使い、赤ちゃんの静・ジョースターが使う、物体や生物を透明にしてしまうスタンド、アクトン・ベイビーは、アイルランドはダブリンが生んだ、今や世界的なロック・バンド、「U2」が1991年に発表したアルバム「Achtung Baby(アクトン・ベイビー)」が由来です。

今ふと思ったのですが「Achtung Baby」という単語をチラチラと見たら、「赤ちゃんベイビー」とか読めそうです。読めますよね? もしかしたら、アクトンと赤ちゃんをかけるという高度な命名なのではないでしょうか。もしくは、これを書いているうちに、だんだん私が疲れて来ているのではないでしょうか。

曲は同アルバムより、「One」という彼らの代表的なナンバーのライブ版です。

ハーヴェスト/矢安宮重清(やんぐう しげきよ)

Reference:YouTube

「重ちー」のあだ名で有名な、変な髪型をした中学2年生の矢安宮重清。「重ちー」が持つスタンドは、小さな4本の腕を持つスタンドで、彼はそれを使い、「ハーヴェスト(収穫)」の名のとおり、自動販売機の下に落ちている小銭などを拾い集めるという、世の中の隙間を突くビジネスに日々従事していました。

ハーヴェストとは、トロントが生んだシンガーソングライターで、生きながらにして伝説となり、現在に至っても新作を発表し続ける、名前はヤングな御年69歳の「Neil Young(ニール・ヤング)」が1972年のバレンタインにリリースした、4作目のアルバム「Harvest(ハーヴェスト)」に由来しています。ちなみに、名字の矢安宮(やんぐう)もニール・ヤングから取られているそうです。ニールやんぐう。

曲は、そのアルバムから人気曲の「Heart of gold」を。ちなみに、歌詞はこんな風に歌い出されます。
「俺は生きたいし、人に何かを与えたい。俺は、金色に輝く優しい心を掘り出そうとしてきたんだ」
原作を読めば解りますが、この曲はまさに「重ちー」にふさわしい曲だと言えるでしょう。泣けます。

シンデレラ/辻彩(つじ あや)

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自身で経営するエステ「シンデレラ」でスタンドを使い、圧倒的な女子力を提供する整形の鬼、辻彩。彼女のスタンドは、アメリカのヘヴィメタルバンド「Cinderella(シンデレラ)」が由来です。1980年代のハードロックシーンで活躍したシンデレラのボーカル、トム・キーファーのジャニス・ジョプリンに影響された、喉を絞り込むような歌い方は、一般的に想像するヘヴィメタルとはまた違った一面を伺うことができます。

ご紹介した「Heartbreak Station(ハートブレイク・ステーション)」も、ヘヴィメタルの枠に収まらない歌唱を披露してくれます。

作中では良いキャラになったと思いきや、吉良吉影に爆殺されるなど不遇な扱いをされていましたが、エステティシャン、低血圧、童話好きと、男ウケしそうな属性を持っていらっしゃるので、今後の再評価が望まれます。

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