そのトラウマを抱えたまま、また別の大手企業の説明会。会場への道のりが分かり難かったのをきっかけに声をかけられた女の子2人と歩きながら、「今日はどこらへんから来たの?」なんて話が始まりました。
すると、1人の子が「西早稲田です」と答え、郊外から来ていた私は「近くていいなあ」と思ったのでそれを声に出そうとしたところ、もう1人の子がすかさず、
「え、もしかして大学は早稲田? 私もだよ、何学部?」
と横から矢を放ってきました。シュッ。そして、それ以降は盛り上がる早稲田話に入れなかったため、黙ってそっと2人の後ろを歩いていきましたとさ。
おそらく説明会の先着や抽選には高学歴ほど優先権があるため、就活をしていると世の中の9割が早稲田と慶応な気がしてきます。もちろん彼らがそれなりの努力をしてその学歴を手に入れたということも分かっていますから、ただただ感心するばかりなのですが。
「国際○○学科です」と自己紹介をしたら、「へえ! アボカドとチーズと国際、女の子が好きなものTOP3じゃーん!」と、チャラいお兄さんに言われたあの頃が懐かしい。私たちにとって学歴とは、アボカドとチーズと同じ類のもので、それ以上の意味なんてなかったのです。