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「結婚」に前向きじゃない男女が結婚したらただの同居になった話

ユーコ・ノラ ユーコ・ノラ


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提出の瞬間は幸せの縮図だった

白髪混じりで品の良いネクタイを締めた50代後半の役所の男性職員。書類の不備がないかを確認し終え「おめでとうございます」と一言。「ありがとうございます」。そう応え席を離れようとした矢先、その男性職員が「みなさんここで記念に写真を撮られますよ、どうですか? 撮ってみませんか?」と聞いてきました。

空気の読めない夫は「いえいえ、結構です」と苦笑い。見知らぬ人にツーショットを撮ってもらうことになぜか小っ恥ずかしさを覚えたわたしも「いえいえ笑 大丈夫っす! あは!」と。ああ、なんてクソ野郎なカップルでしょう。

「ちゃんと婚姻届を提出したという証拠にもなりますし・・・みなさん撮られていますよ」とグイグイくる男性職員にわたしたちは根負けし、スマートフォンを渡したところ、その男性職員はやや照れ気味に

「はい、ハッピー!(カシャ)」

という掛け声とともにシャッターを押しました。「え、ハ、ハッピー?」男性職員に目を奪われたわたしたちの写真の仕上がりは言わずもがな、瞬きの瞬間で半目になった夫と、左口角だけがやたらとつり上がったニヒルな笑顔を浮かべているわたし。ああ、撮らなきゃよかった。

しかしそれと同時に、照れながらもわたしたちの婚姻を祝福してくれたその男性職員に「結婚とは本来ハッピーなものなのだ」ということを、改めて教えてもらったような気がした、そんな日でした。

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