この3人、実はかなりの引きこもり性で、ドン引きするほどコミュ症だったのです。
大田さんは初代ゲームボーイ(単三電池を4本使用するでかいやつ)で熱血硬派くにおくんをして時間を潰し、大林くんは相変わらずバナナを食べ、小田さんはトランプでひとり神経衰弱をして遊んでいました。はたから見るとマジやばいやつらでした。
そうして時間が経過するも、その日に到着するはずだった小林くんがコテージに姿をみせることはありませんでした。
翌朝。まだ日が昇っていないうちから早々に帰り支度を終え、3人はリビングに集まりました。早く帰りたいとうずうずしていた3人は、気を紛らわそうとコテージにあったラジオをつけました。そこで3人は信じられないようなニュースを聞きます。
「昨夜、××山道にて、原動付自転車に乗っていた私服のダサい男性が、崖のあるカーブを曲がりきれず、ガードレールにぶつかり死亡しました」
大田 え、今のニュースで言ってた××山道って私たちが通ってきたところじゃない・・・?
小田さんは昨日見た悪夢を思い出します。
小田 (原付に乗っていた男性ってもしかして・・・・・・・・・・・・・・・)
大田 ねえ、大丈夫? しっかりして!
ちなみに、大林くんは空気を読んで黙っていました。
その時、コテージの玄関ドアが強くノックされる音がしました。
ドンドンドンドンッ!
激しく打ち付けられるノックの音。
小田 誰っ?
小林 俺だ! 俺! 小田さんいるか!? ドアに鍵がかかっているから、すぐに開けてくれ!
その声は小田さんがいま最も聞きたかった小林くんの声でした。
小田 小林くん!? そこにいるの!?
小田さんは急いで玄関へと駆け寄っていきました。
小田 小林くんなのね!? いまドアを開けるわ!
そうして小田さんがドアの鍵に手を置いたところで、大田さんが小田さんを引き止めました。
大田 ダメよ! 開けちゃ! その人が小林くんのはずないわ! さっきのニュース聞いたでしょ! 小林くんはガードレールにぶつかって死んだのよ! きっと外にいるのは死んだ小林の霊に違いないわ! ひとりで死ぬのが嫌だから小田さんをあっちの世界の道連れにしようとやってきたよ!
大林 ウホッ! ウホウホ、ウホーーーー!!