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まったく怖くないどこかで聞いたことある怖い話

神えみし 神えみし


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9月は秋分の日もあり暦の上ではもう立派な秋だ。しかし、例年通り暑い日は続いている。まだ夏だ、と言えば多くの人から賛同を得られるだろう。アバンチュール事とは一切無縁のわたしからしてみれば暑いだけの夏などさっさと終われ! としか思わない。悶々とした気持ちを抱えなら日々、熱気と蚊(部屋に一匹だけ蚊がいる)と戦いながら過ごしている。

そんなわたしはいち早く秋の冷たい風を感じたいと、この時期、怪談話を聞いては肝をひやっとさせている。そこで、残暑で辟易しているみなさんにも涼んでもらおうと怪談話を用意した。怖いのが苦手という人のことも考え、有名な怪談話を怖くない風にアレンジしたのでぜひ読んでみてほしい。

怪談話『死者からの呼びかけ』

ある夏のとても暑い日のこと。

大学生仲良し男女4人グループが山奥にあるコテージへ1泊2日で泊に行くことになりました。4人はカップル同士でした。小林くんは小田さんと付き合っており、大林くんは大田さんと付き合っていました。

小林くんカップルはふたりとも美男美女で、容姿だけはいわゆるパリピの最前線のような雰囲気でした。

一方、大林くんカップルは美男美女ではなく、さらに彼氏である大林くんの身長も2メートルを越し、とても毛深くまるでゴリラのようでした。ていうか、ゴリラそのものでした。

いざ旅行へ行こうとしましたが、実家暮らしのくせして4人とも車の免許を持っていませんでした。そのため、コテージへは電車とバスを利用して行くことになりました。

出発当日の朝、小林くんは寝坊をしてしまいました。仕方がないので、小田さん、大林くん、大田さんの3人は先に行くことにし、小林くんは原付であとからひとり遅れて行くことになりました。

先に出発した3人は、まずは電車で移動しました。車内ではみんな仲良くババ抜きをして遊んでいました。しかし、ゴリラの大林くんはババ抜きのやり方が分からなかったので、ひとりでバナナを食べていました。実質、ババ抜きは小田さんと大田さんだけでやっていました。

目的の駅に到着し、そこからバスへ乗り継ぎます。バスの中はガラ空きで、乗客は3人しかいませんでした。目的地であるコテージまであとわずかということもあり、3人のテンションは上がり、車中会話をしては大声で笑いあったりもしました。もちろん、その間も大林くんはバナナを食べていました。

しばらくすると小田さんはふと眠気に襲われて、ついうたた寝をしてしまいました。うつらうつらしている間、小田さんは自分たちが乗っているバスが山間部のカーブで曲がりきれず、ガードレールを突き破り崖から落ちてしまうという夢を見ていました。

小田さんは思わず「きゃあっ!!」と叫び、目を覚ましました。

大田 大丈夫?

小田 ありがとう。なんでもないわ。

小田さんは、いま見た夢のことは言いませんでした。大林くんもなんかウホウホ言っていましたが、マジイミフだったのでシカトをキメてやりました。

そして、予定時刻ぴったりにコテージへと到着。コテージの中は想像していたよりも広く、ちょうど個室となる部屋が3つも設けられていました。3人はそれぞれ個室に入り、そのまま部屋にこもり、各々ひとりで遊び始めました。

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