2. 「すいません、元データ無いんでjpgから修正お願いします」
そこそこ死にたくなりますね。データさえ・・・データさえあれば難なく終わる作業を敢えてペライチのjpgデータをチマチマいじらなければいけないというこのハンドメイド感。『文字修正だけ』という甘い幻想は、作業開始1分で脆くも破壊されてしまいます。
「・・・ももも文字の背景にパターン引かれててなんか写真にもかぶってるし、もうなんかよく分からんフォント使われててなんかもうむっちゃ効果使われてて、もうなんか結局最初から作り直したほうが早いっていうぅぅぅそういうことぉぉぉぉぉ！？ あがががががが！」※リピート×星の数
そして修正指示書の内容と照らし合わせながら数時間ぶっ通しで作業を進めていく。「結構進んだはず・・・ゼェゼェ」と息も切れ切れに指示書のpdfを下へ下へスクロールする。そして「むむ、もしや時間が止まっていたのかい？」と思わずにはいられないほど驚愕し、時計を二度見する。想像以上に進んでいないという事実に魂の抜ける音がする。
「ぷシュウん・・・」
まあそうですね、もし仮に私が外科医ならば、『ブラックジャック』並みの卓越した縫合技術を持ち合わせていると思います。
3. 2万ピクセル超えのランディングページ
万里の長城か。それとも果てなきシルクロードを徒歩で歩むこととなるのか。デザイナーに構成を渡したあと、みるみるうちに表情が凍りついていくのが手に取るように感じ取ることができます。もはやまともに彼らの顔を見ることができません。
「あとは頼んだ・・・」
コンピュータ越しに、丸まった背中をただただ見つめることしかできないこの無力さよ。
