そして、無理やり聞き出してはいけないらしい。こちらの態度が強引だと、記憶を語ることが悪いこと(もしくは良いこと)だと思って、口を閉ざしたり、話を作ったりしてしまうそうだ。もし胎内記憶を話し出したら、とにかく「そうなんだね」などと受け入れる態度を見せること。本人が本当に忘れていることもあるので、深く追求しすぎないこと。
よし分かった。もう一度聞いて、ダメだったら、今度こそ諦めよう。
そう腹を括って過ごしていたある日。子どもたちと3人でお風呂に入っていた時のこと。なぜだか分からないけれど、「あ、今なら胎内記憶聞けそうだな」と思う瞬間があった。いつもバスタイムは楽しいのだけれど、その日は特に和気あいあいとしていて穏やかな時間が流れていた。よし、今だ!
私は、できうる一番のポーカーフェイスで息子に聞いた。
ねえ、おなかの中ってどんな感じなの? お風呂みたいなの?
息子
うん、プールなの。こういうふうにして(体育座りのような格好)くるくるってしてた。うえを向いてパクパクして、ごはんくださーいってしてた。
へえ。(これは! ついに語ったか!)
それでー、〇〇(息子)が先にいってきまーすって★ちゃん(妹)に言って、先に出てきたの。
え!! ★ちゃんのこと前から知ってたの?