実売部数と刷り部数ってどんなんなってんの?
西島 増刷分に関して。実売印税(売れた分で支払う印税)と刷り部数印税(売れてなくても刷った分でカウントする印税)があると思うのですが、どちらが主流なんでしょうか。
稲川 今は「本が売れない時代」と言われていますから、ビジネス書の世界では実売印税の方が多いと聞いています。
西島 昔は刷り部数が主流だったと聞いたことがあるのですが、いつ頃から変わってきたんですか?
稲川 アメリカなどでは、もともと実売印税が主流なんですが、日本の場合は本当にここ数年ですね。
西島 そんなに最近なんですか・・・。
稲川 実売、つまりダウンロード数に応じて印税が支払われる電子書籍が登場し始めたこともあると思いますよ。
文庫の印税はどうなってる?
西島 文庫の印税ってどうなってるんですか? 文庫は商品の金額自体が安いから、10%だと作家がきつい気がするのですが。
稲川 文庫の印税率は少し上がりますね。15%とか。
西島 フォレスト出版は文庫をやられてないと思うのですが、中には、文庫化される本もありますか?
稲川 もちろんあります。その時は権利を売ります。例えば版元に2%とか。
西島 文庫で売れた分の2%が、版元のフォレスト出版に入ると?
稲川 おっしゃる通りです。
西島 残りの98%はどうなるんですか?
稲川 それは文庫を出す出版社と著者の話し合いになります。
西島 98%のうち、著者が15%で出版社が83%とか?
稲川 まあ、そんなふうにはならないでしょうね。文庫化するにも制作費、販促費、取次への卸値がありますから。
西島 1%でいいので、私ももらえないでしょうか?
稲川 無理です、無理です。本当に本は薄利多売な商売なんですから。