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何度でも見たくなる音楽映画の演奏シーン3選

加藤広大 加藤広大


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「シング・ストリート 未来へのうた」

まずは、今や音楽映画を撮らせたら右に出る者は居ない、ジョン・カーニー監督の2016年作品「シング・ストリート 未来へのうた」のなかの1曲で、『Drive It Like You Stole It』をどうぞ。

Reference:YouTube

本編を観ていない場合、何とも言えない踊りと『パートタイム・ラヴァー』ミーツ・デュランデュラン的80年代全開の音楽に「何のこっちゃ」と混乱を来してしまうかもしれませんが、ご覧になればわかります。劇中、本ライブシーンに切り替わった瞬間からもう涙が止まりません。

本作は、主人公のコナー・”コズモ”・ロウラー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)が、学校の前で見かけたラフィーナ(ルーシー・ボイントン)に一目惚れして、気を引くためにバンドを結成するというお話でして、とても単純な話の筋であり、構造はすらすらと頭に入って来ます。

しかし、この「モテたいから音楽をはじめる」という初期衝動に加え、バンドのメンバーを探していくうちに友人が増えていく、更に登場人物が全員家庭に問題を抱えており、最後には音楽ですべてが救済されてしまうという、言わば音楽療法的な行為を映画を通して内でも外でもやってしまうという、ジョン・カーニーのとんでもない魔法が作品を唯一無二の傑作にしています。

掲げた動画の冒頭シーンは体育館で、そこから一気に50sダンスパーティーシーンになりますが、ピントが合った役者はすべて映画内の登場人物であり、「(この人は)こうであったらいいな」というコナー(ボーカルの子ですね)の妄想なんですよ。

いつも喧嘩をしているお父さんとお母さんは仲良しそうであり、規則に厳しい校長もノリノリでアクロバティックな動きをし、尊敬している兄貴はもっとカッコよく、そして恋の相手であるラフィーナは、マドンナ的存在としてライブに現れる。

で、それら「こうだったらいいな」という登場人物は、全員体育館のドアを開けて現れるんですね。これ、監督の前作品である「はじまりのうた」でもドアを開けて現れる/現れないは効果的に使われています。

とにかく、ライトな精神分析映画であるとか、各楽曲の映像の撮り方が往年の名作PVといくらでも比較できるとか、言いたいことはたくさんあるのですが、後が控えていますのでこの辺で。

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