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「バリー・シール/アメリカをはめた男」というよりは、はめられた男

加藤広大 加藤広大


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そんなわけでコラム本編です。まずは予告編をどうぞ。

Reference:YouTube

見るからにテンポが良さそうで「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(2002年)や「ブロウ」(2001年)を彷彿とさせますね。両作とも、実話に基づいているという点で本作と共通しています。

「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」は実在の天才詐欺師、フランク・W・アバグネイル・Jrの半生を描いたお話でした。

Reference:YouTube

パンアメリカン航空のパイロットや医師、弁護士など、次々と職業を偽り、小切手詐欺をはじめとした様々な「嘘」を積み重ねていくアバグネイル(レオナルド・ディカプリオ)と、ハンラティ捜査官(トム・ハンクス)のテンポの良い追いかけっこは必見。舞台は1960年代なので、「バリー・シール」よりは少し前のお話です。

ディカプリオ繋がりで言うならば、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013年)も思い出されます。こちらも実話を元にした作品で、良テンポな傑作でした。

Reference:YouTube

と、いろいろ実在人物つながりで想起できる作品は多いのですが、最も近いのは、おそらく「ブロウ」でしょう。

Reference:YouTube

実在した伝説のドラッグディーラー、ジョージ・ユングの半生をジョニー・デップが演じました。家の中に収まりきらないほどの札束、コカイン、パブロ・エスコバル、小型飛行機での密輸など、多くの共通点に満ちています。こちらも非常にテンポの良い映画ですね。ジョージ・ユングとバリー・シールは年も3つしか違いません。

では、実在の話を描き、総じてテンポが良く、爽快感に溢れた娯楽犯罪映画たちを想起させるなかで、本作「バリー・シール/アメリカをはめた男」はどうなのか? と言いますと、予告編のような「ぶっ飛んだ」内容を期待していくと、ちょっと肩透かしをくらうかも知れません。

もちろん、予告通りのシーンは盛り沢山で、飽きさせない作りになっています。が、惹句のように「ヤバすぎる男のぶっ飛んだ人生」的に言われてしまうと、これはちょっと言い過ぎではないかと感じます。面白い映画なのは間違いないのですが、そんなに大声で叫ばなくても、良作なんだからもうちょっと言葉を選んで、カッコよく宣伝してあげれば良いのにと余計なお世話のひとつも焼きたくなってしまいます。

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