世界のクリエイティブニュース

スター・ウォーズ／最後のジェダイ/STAR WARS: THE LAST JEDI

これこそ

説明不要！

スター・ウォーズ／最後のジェダイ
2017年12月15日公開予定
オフィシャルサイト

オレの獲物はビンラディン/Army of One

本当は「スター・ウォーズ／最後のジェダイ」で1年を締めくくりたかったのですが、調べていたところ、無視はできない案件が出てきてしまいました。

入国手段はヨット！　武器は日本刀！　人工透析の最中に神から「パキスタンでビンラディンを捕まえろ」と啓示を受けた主人公、中年男のゲイリーを演じるのはニコラス・ケイジ！　やったー！

いやはや、しかしニコラス・ケイジはどんな映画に出てもニコラス・ケイジですな。「スター・ウォーズ／最後のジェダイ」をだいぶ適当に済ませてしまったので、こちらは少しだけ詳しく、ニコラス・ケイジのことを書いて締めくくりましょう。

まず、ニコラス・ケイジ主演の映画は、総じて使用される楽曲が良質で、あらすじも悪くないのに、いざ本編がはじまるとお察しの場合が多く、何よりニコラス・ケイジが断続的にかなりの割合で映し出されることに最も顕著な特徴があります。

これはもうどんな役柄だろうが、どんな脚本だろうが、ニコラス・ケイジが出演する映画をみると「ああ、またニコラス・ケイジが動いている」と感想を抱いてしまうということで、映画を観てニコラス・ケイジが出演していると、まるでカタカナを覚えたての子どもが電車に乗りながら過ぎ去る看板の文字を読みまくるがごとく「あ！　ニコラス・ケイジ！」といった具合に、脳内ニコラス・ケイジと、画面内ニコラス・ケイジが融合し、最新のニコラス・ケイジ10.2.6みたいな感じでアップデートが行われます。

こうなってくると、映画が終わって外に出てみると、すべての人がニコラス・ケイジに見え、さらに「この箱の中におそらくニコラス・ケイジが入っているが、実際にニコラス・ケイジが入っているかどうかは箱を開けるまでは確定しない」だったり、「ニコラス・ケイジがひとつずつ臓器を移植していったとして、全ての臓器を移植し終えた後のニコラス・ケイジは、ニコラス・ケイジと言えるのであろうか？」だったりと、やや無茶ぶりな問答を考えると夜も眠れません。

もはや「記号」と言っても良いほど偉大な存在であるニコラス・ケイジですが、ニコラス・ケイジの主演映画は、彼が出て来た瞬間に映画全体が絶望的なまでにニコラス・ケイジナイズされてしまうことにより、内容は忘れ去られ、全てがニコラス・ケイジとして再創造され、月が作られ、火が作られ、水が作られ、7日目には二日酔いを残して完結してしまうという、混沌もびっくりの天地創造が大体90分〜120分以内で体験できるというのは、現世に生きている人々だけが味わえるニコラス・ケイジアトラクションと言えるのかもしれません。

上記のようなニコラス・ケイジ論を再確認、アップデートするためにも、「オレの獲物はニコラス・ケイジ」もとい「オレの獲物はビンラディン」、見逃せません。

オレの獲物はビンラディン
2017年12月16日公開予定
オフィシャルサイト

以上、「【2017年】年末にかけての注目映画」をいろいろとご紹介させていただいたわけですが、私見多めなのはご容赦くださいませ。しかし傑作駄作、結果はどうあれすべての作品が楽しみです。書いていて「観る時間あるのかな」と不安になってきましたが、このコラムが年末観る映画に迷った時のお役に立てれば幸いです。