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野村萬斎主演「花戦さ」の篠山監督と夢の対談!!

シーズン野田 シーズン野田


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ひやあつはロマンだ!

この映画の中で野村萬斎演じる池坊専好は、けったいな人であると言われており、創作するいけばなもまた、けったいであると評されています。

いけばなには、主役(真)があり、それを引き立てる脇役(副、対)がある。その関係性を妙で魅せるのがいけばなである的なことを劇中で言っていたような気がしたのですが(多分)、専好はそう教えながらも「それはつまらん!」と思っているわけです。

今作は今時の邦画らしく、特に奇をてらわずに分かりやすい調和のとれた仕上がり具合を目指しているのだと思いますが、野村萬斎のお芝居がそこに抵抗するような効果を生み、無自覚にも様々な温度差が生まれ、その温度差が風を作り、その風がテーマや物語の枠をかろやかに超えて行きます。そして、作品そのものが池坊専好の人格のように立ち上がり、実にけったいな仕上がりになっているのです!!

主人公が何かを乗り越えようとしていたら映画もそうでなくてはならないし、自由を渇望していたら映画そのものも自由であろうとしなければなりません。こうして作品が媒体の垣根を飛びこえ、映写機で投影されたただの光が、芸術的な価値を帯びていくのです。

人によっては、その“ひやあつ”がただの違和感でしかないみたいな感想もあるようですが、ここで画家である横尾忠則先生の言葉を思い出して下さい。

「カレーのルーは熱いが、ご飯は冷えてる方がうまい。ひやあつはロマンだ!」(うろ覚え)

そう、ひやあつはロマンなのです。きっと横尾先生なら、この作品にロマンを感じて下さると思います。その辺の演技のバランス感覚については、実際に監督に聞いてみたい気持ちもありつつ、 ちょっとシナリオコンペ提出直後にこのコラムを書いているので現在頭が回りません。一旦ここで仮眠します。


出典:映画.com

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