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母の日に。三島由紀夫『レター教室』から学ぶ手紙の書き方

岡田麻沙 岡田麻沙


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4. 身の上相談には本気で乗るな

作中ではある人物が、身の上相談をする人々について、こんな風に語る。

かれらはただ、告白したり主張したりすることの露出狂的な喜びだけでそうするのです。手紙を出してしまえば七割方満足しているのです。
<中略>
こういう人たちは、自分で火をつけて、それから、その火事場見物に熱狂するというタイプの人間で、何かをやってのけて、その結果を、こんどは安全な場所からゆっくり見物したいのです。

引用:三島由紀夫「身の上相談の手紙」『レター教室』(1991)筑摩書房、p.133

放火魔扱いである。三島由紀夫は身の上相談をする人になんか嫌な思い出でもあったのか?

5. 食べ物の礼だけは忘れるな

やりたい放題の手紙が飛び交う『レター教室』だが、唯一、節度を守っている点がある。それは、食べ物をご馳走してもらったお礼を、頻繁に手紙に盛り込んでいることだ。「先日はごちそうさまでした」という礼儀正しいものから、「おいしいショートケーキをありがとう」「あんなおいしいショートケーキを食べたのは初めて」と素直な感想を綴ったものまで、様々である。その流れで、金の無心をすることも忘れない。

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以上、やや駆け足で見てきたが、ここまで読んだあなたは既に、『レター教室』の登場人物たちのように自由な心で手紙を書ける能力を手に入れたはずである。あとは書くだけ。書くだけだ。罵倒から始めるもよし、金の無心をするもよし。スクショを晒すもよし。

ちなみに本記事を参考に作成した手紙であなたにトラブルが発生した場合も、当方ではいかなる責任も負いかねるため、容量と用法を守ってご利用いただきたい。

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