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母の日に。三島由紀夫『レター教室』から学ぶ手紙の書き方

岡田麻沙 岡田麻沙


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『レター教室』から学ぶ手紙の書き方

1. 人格否定は徹底的にやれ

この小説の登場人物たちはよく、手紙の書き出しを罵倒の言葉からしたためている。「あなたのバカさ加減にはまったく興味津々です」とか「君はまったく紙屑籠のような人ですね」とか。ひどい。もしも私が「お前ってゴミ箱みたいだよな」という一文から始まる手紙を貰ったら、しばらく立ち直れないと思う。でもユッキーは容赦ない。どんどんやろう。

2. スクショは撮りまくれ

最近ではコミュニケーションアプリ『LINE』での会話画面をスクリーンショットで保存されて第三者に晒される、ということが話題になっているが、本作中の手紙でも同じことが起きている。5人の登場人物たちが「こういう手紙をもらったんだけどどう思う?」「なんて返事すればいい?」と、お互いに晒しまくりである。いつの時代もやることは同じらしい。

3. 褒めるときも皮肉を添えろ

『レター教室』の登場人物は、手紙を送る相手のことや、話題に挙げた人物のことを手放しに褒めることがない。「あなたはすばらしい相談相手ですね。なぜなら、適度にバカだから」みたいなことばっかり言う。なぜか。なぜ素直に褒めることができないのか。ユッキーが素直になってくれなくて、私はとっても悲しい。しかし、これが妙にリアルである。ただ単に褒められるよりも、少しの毒を添えた方が真実味を帯びることも、ある。

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