そう言えば、このコラムのタイトルは「地下鉄で窓の暗闇を眺めながら聴きたい曲」です。前置きが長くなりましたが、まずは先程の「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」の主人公、ルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)の元ネタとなったアメリカのフォークシンガー、Dave Van Ronk(デイブ・ヴァン・ロンク)の『Hang Me, Oh Hang Me(ハングミー・オー・ハングミー)』です。
Dave Van Ronk『Hang Me, Oh Hang Me』
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ゆったりとしたメロディーに優しい声が地下鉄の揺れと合わさって、心地良さと、どことなく寂しい感じを醸し出してくれます。ドアの側に立って暗闇を眺めながらため息ひとつつけば、より雰囲気が出ることでしょう。横目で他の乗客をチラ見するのもいいですね。脳内でスローモーションに変換すればモアベターです。
Led Zeppelin『Friends』
お次は偉大なるロック・バンド、Led Zeppelin(レッド・ツェッペリン)の3枚目『Led Zeppelin III(レッド・ツェッペリン III)』に収録されている『Friends(フレンズ)』をおすすめします。
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電車のごとく「揺れている」ようなジミー・ペイジ御大のギターが特徴的なこの曲。以前、某ミュージックバーで「地下鉄に合う曲は何か」というお題で数人で話し合ったときに、全員「ああ、なんかわかるわかるw」とお墨付きが出た名曲です。
この曲も窓の外を眺めながら聴いていると、変則チューニングのギターストロークと地下鉄の規則的な揺れや光が混ぜ合わせられることにより、一種の民族音楽を聴いているような錯覚に陥り、時に簡易的なトリップが楽しめるのも加点ポイントであり、さらには次曲の『Celebration Day』への見事な繋がりは乗り過ごし必須。