ドイツ人は日本人に似ていると言われていることをご存知でしょうか。私自身、ドイツに来る前はドイツ企業の日本支社で働いており、そのしっかりとした労働システムには好感を持っていたものです。しかしドイツ・ベルリンに住み始めて約2ヶ月。そのイメージはもろくも崩れ落ちつつあります。
働く気満々でベルリン入りした私が感じたドイツ人の第一印象は、「ん? あまりドイツ人の皆さん、働いていない?」ということでした。なぜなら、立て続けに働かないドイツ人ばかりに出会ったからです。
働かないことこそ美だ
私がいま賃貸している部屋のオーナーには、1人の息子がいます。しかしこの息子、生まれて此の方働いたことがないそうなのです。どうやって生活しているのかと思えば、ドイツの生活保護制度で食いつないでいるとのこと。彼の信条は「働かないことこそ美だ」。日本の“ニート”のように、この信条を共有する人は世界中にいるようです。
お金が欲しいときだけ働く
「自由な息子を持って大変だなあ」と思うじゃないですか。しかし、息子の親であるオーナー自身も、私に部屋の1室を貸してくれているものの、他に働く気配はありません。彼の本業は写真家なのですが、今はスランプ中なのだそう。
これまたどうやって食いつないでいるのかと聞けば、「現金が必要になったらタクシーを運転している」とのこと。ときどきふと思いついたようにタクシーを運転しにいきます。“生きるのに必要な分だけ働く”、とってもシンプルな公式です。
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