親しい間柄では言葉を必要としない
犬山紙子さんが「女子は『マジ?』『わかる』の2語だけで会話を成立させられる」と述べていましたが(参考:PHPスペシャル編集部(2015)『一緒にいて楽しい人・疲れる人』、PHP研究所)、本当にその通り。親しい間柄の友人とは使う言葉や話題が固定化してきて、それが心地良かったりします。
付き合いたての恋人同士は「I missed you」「I missed you, too」なんて言って見つめ合っていれば時間が流れていきますし(たぶん)、結婚なんてした日には言葉を発さなくても生きていけるようになるんじゃないでしょうか(参考:我が両親)。
私は新しい話題について語るときにもついお決まりの単語やフレーズを使ってしまい、なかなか語彙が増えんなーと反省します。そんなときには初対面の人と話したり普段は読まない雑誌を開いたりすると、新鮮な単語がポンッと飛び出してきていい刺激を受けられます。
馴れを恐れよ
付き合いが長くなると、非ネイティブであるこちらの英語に相手が馴れてしまうという現象も生じます。訛った英語を話していても聞き取れてしまう。よくおかす文法ミス・発音ミスをスルーしてしまう。それにこちらも甘えてしまい、初対面の人と話すと「あれ、この単語通じない!」と焦ることがあります。
それと似たような話で、「日本でネイティブの先生に英語を習っていたときは問題なく会話できていたのに、英語圏に留学したら英語が通じなかった!」という落とし穴がありますが(私がまさに経験したことですが)、それは先生たちが聞き取りにくいジャパングリッシュに馴れているからです。そして、それが仕事だからです。日本人の話す分かりにくいかつ教科書的で面白みのない会話に付き合うのは、仕事じゃないとやってられないようです、悲しいことに。
機会があれば日本人と話したことがないという人と話してみると、自分の英語が点検できてよいのではなかろうかと思います。小さな子どもと話すのもおすすめです。彼らは、本当に正しい英語でないと理解してくれませんから。