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「俺らにとってオリンピックって何なのさ?」gorin.jpのCMで考えてみる

西島知宏 西島知宏


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Q4. 企画決定までのおおまかなプロセスをお聞きしたいです(モノローグコピーが先にあったのか、0:47あたりのグラフィカルなビジュアルが先にあったのか)

上記のような話し合いをしていく中で、ナレーションの骨子が確定しました。最初は、スーパーボウルで流れた、クリントイーストウッドの「ハーフタイム」というCMのように話者が出てきて、語る。という企画から始まり、語り手としてふさわしい人がいるのか、スケジュールや予算とも鑑みながら、話者ではなく、ビジュアルで語っていく、という選択をして、歴代の100mの世界記録を出したランナーたちが、時空を超えて並ぶ、ビジュアルという案にたどり着きました。

Q5. 演出部分で加わった要素があればお聞きしたいです

シンボルになっている、「人類の進化のリレー」というキービジュアルを、どんな世界観で成立させるか。その際に、荒野に100mトラックを作る。というアイデアが演出家との打ち合わせの中で加わっていきました。ただ、綺麗に企画が決まって、演出家に渡したという仕事ではなく、演出家とも最後は一緒になって、何度も何度もビデオコンテで検証しながら、本当にギリギリになって、ああいった形にたどり着いた、というプロセスになりました。

Q6. 普段とは違う、このプロジェクトならではの困難があったのであればお聞きしたいです

企画自体が、かなり語らないとわからない内容なので、ヘタをすると、NHKスペシャルのような、CMとしてはかなり説明的なフィルムになってしまうかもしれない。そこをフィジカルにカラダで感じられる、多くの人が見ても、感情の高ぶりを感じられる表現にできるか。理性的なものと、感情的なものが、混じり合いエモーショナルな読後感をデザインできるのか、そこが荒野のパートが撮影してみないことには、最後の最後まで計算が立たない。ということで、かなり苦労しています。ナレーションの分量も、最初はある量を持って伝えていましたが、演出コンテを詰めていく中で、説明的すぎると、シンプルにしたり、しかし、撮影が終わって映像が上がってくると、逆に何を伝えたいCMかが分からなくなったりしたことから、分量をある程度、戻してみたり、誰の声帯を借りて、伝えるのがいいのか悩みながら、池松壮亮さんにたどり着いたり、最後の最後まで、理性的でありながら、エモーショナルである、という読後感にたどり着くための、プロセスが、やったことがない挑戦だっただけに、なかなかの難産であり、そして楽しい仕事でもありました。

街角のクリエイティブ ロゴ


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