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『暇と退屈の倫理学』を読んで、転職の言い訳を考えてみる

岡田麻沙 岡田麻沙


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片付けられないのも、オモラシするのも、しょうがない

第二章は、いつから退屈が始まったか? ということの考察である。ここでは、西田正規の提唱した「定住革命」が紹介される。人類は数百万年にわたって遊牧生活を続けてきたが、ほんの一万年前、ひょんなことから定住をはじめた。國分功一郎は「一万年という数字が人類の歴史から見てもつい最近であること」と、「定住とか別に全然偉くねえから」みたいなことを強調している。人類は望んで定住をはじめたのではなく、やむにやまれず定住生活をするはめになったのだという。

そして、遊牧生活をしていた頃の人類は、ゴミはそこらへんに捨て、排泄だってちょっと離れた場所でボトボトひり出して、綺麗な場所に移動すれば良かった。でも定住が開始してからは、それが出来なくなった。私たち人間はまだ、同じ場所に住み続けるということに対して、完全に適応できていない。だから片付けられない人が沢山いるし、赤ん坊のトイレ・トレーニングには長期的な教育が必要なのだ。定住に慣れていないから、目に映る景色が毎日同じであることにも耐えられない。どこかに行きたくなる。これが、退屈のはじまりである。

そう考えれば、心変わりを責める上司に対しても、強気の態度が取れそうである。「すぐに音をあげるようなことではいかん!」と言われても、本書を叩きつけ、こう答えればいい。「心変わりがなんだっていうんですか! ちゃんと毎日トイレに行って用を足しているだけでも、褒めて欲しいってもんですよ!」

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