【ライターBの場合】女の子の日にこみ上げる感謝
朝
本日締め切りの原稿は2つ。普通にいけば間に合うスケジュールだが、なんだか体調がおかしい。むくみもひどいし、頭が割れそうなくらいの頭痛。くるぞ。くるくる。予想的中。どうやら『月のもの』が来てしまったようだ。途端に腹痛、めまい・だるさ・三重苦が襲いかかる。
「やばいよやばいよ、痛くてだるくてタイピングできないよ集中できないよ」誰を笑わすでもなく、勝手に出てしまう“出川節”。やばいよやばいよ。それでも締め切りは待ってはくれない。背中を丸めながら薬を飲み、ひたすら我慢する。
昼
おかしい・・・。今回は薬の効きが悪い。ベッドに倒れこみうーんうーんと唸り声をあげていると、タイミング悪く担当者からの電話が鳴る。「ああもう最悪だわ・・・」と思いつつも、一息つき渾身の「はいー! もしもし◯◯ですー!」を振り絞る。実際そんな元気を振り絞る体力もないが、それでも振り絞る。
「大丈夫です〜、はいはい! ちょうど今進めていて、ガンガンやってるとこなんで〜! あははー! そうなんですよー! はいっはいはい! またご連絡しますねはいーーーー!(あたしの嘘つき・・・顔面蒼白でベッドに倒れこんでるくせに・・・ピエロや、あたいピエロや・・・)」。そのままノートPCをずるずるをベッドまで引きずり込み、横たわったまま息も切れ切れに執筆を続ける。
夜
苦しんだ甲斐もあってか、だいぶマシになってきた。しかし思った以上に原稿が進んでおらず、焦りのあまり今度は別のあぶら汗がにじみ出る。「あの痛さに比べればなんてことないわ」、そう自分に言い聞かせ、残りの原稿を神のスピードでこなしてゆく。集中力が徐々に研ぎ澄まされてゆく。
「これぞトップアスリートの境地・・・」
そして終わった瞬間に意識が遠のく。そのままベッドに倒れ込む。
ライターB「この時ばかりは「在宅でよかった」と、心から感謝しましたよ、まじで」