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こどもの勉強とクリエイティブ【連載】広告代理店の現役アートディレクターが語る

中村征士 中村征士


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こどもが勝手に動くように仕向ける

こどもの能力を低く見積もっていると、信頼されていないという印象がこどもに伝わってしまいます。例えば、「これくらいまでしかできないだろう」と課題や質問のレベルを下げすぎてしまうと、答えが透けてみえてしまってこどもは全然動かないことがあります。オチがみえているギャグが笑えないのと同じです。

だから、ちょっとムリめかも? というちょっと高めのハードルを置いてあげるのです。カンのいい子は、ニコニコしながら誰よりも早くアウトプットしようとすぐに取りかかります。もちろん戸惑ってしまう子もいます。でもそこは僕がサポートして軽く背中を押してあげるようにします。もしくは、先に出来てしまったこどもにお願いしてみてもいいのです。

自分から動いたら、どんな子でも最後までやり通すことが多いです。極端にいうと、放ったらかしでもいいと思っています。適切な課題と評価の設定で、授業のクオリティはほぼ決まってしまうのです。仮に、あるこどもが的外れなアウトプットをしたとしても、丁寧に評価をしてフィードバックをすることで、こどもの頭と体にしっかりと記憶として残るでしょう。

こどもの能力を信じて任せ、アウトプットは丁寧に評価する。現在の日本の義務教育の現場ではかなり難しいでしょう。僕は大学生のときに公立中学校へ教育実習に行ったときですら、めちゃくちゃ忙しかったので(それでも20年以上前なので今はもっと大変だと思う)、現状では丁寧に指導する時間がそんなに取れないのが現実でしょう。

ただ、この10年で『教育のありかたを見直してつくりかえる』というムーブメントは必ず来ます。社会は違いますが、フィンランドでは面白い勉強ができるシステムができているわけですし。

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