作り手として尊敬
広告をつくっていると色々な制約に邪魔されることが多くて、その制約をクリアするために広告をつくるというアンハッピーな状況になることがけっこうあります。僕たちは広告制作者として知恵を絞ってみるけれど、本来の目的である商品やサービスのいいところを伝えることがおろそかになってしまって本末転倒。何のためにやっているのか分らなくなってしまいます。
その点、マンガは自由に表現できるのでは? と思ったけれど、そうでもないのでしょう。もしかすると、読者に好かれようとして色々計算してしまうのかもしれません。広告と同じ気分を感じているかもしれません。
表現の土俵はちがうけれど、媚びるのと分りやすさの間で感じるジレンマってあると思います。一部のプロのマンガ家がプライベートでコミケに出展するのも、そんな理由が考えられます。僕は「自由に好きなものをつくれ」と言われると困ってしまいますけれど、世の中に何かを問おうとしているなと感じる作品に心を惹かれてしまいます。憧れてしまいます。
MANGAとマンガ
アメコミはマンガとはかなり違います。アメコミはデザインやアートにもっと近い印象です。僕はちょっと苦手なんです、あの独特なネットリした感じが。
最近調べて分かったのですが、日本的なマンガを描く外国人作家が増えているようです。ぱっと見日本のマンガなんだけれど、作家が外国人。アメコミを描くんじゃなくMANGAを描いている。日本のマンガが“文化”として海外に定着しようとしている途中なのかもしれません。
今後、マンガをスマホやタブレットで読むことが主流になっていくのは間違いない。それを示唆するように、ネットから大ヒットマンガが生まれています。アマチュアマンガ家の発表の場が増えてきているのです。描き手の環境も読み手の環境も大きく変わっていく近い未来では、モンテビデオのマンガ家の作品が日本で大ヒット! みたいなことがあるかもしれません。モンテビデオの作家さんのマンガ原稿を入稿することがあったら、面白いなあ。
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