私は広告代理店で20年近くアートディレクターとして働いてきました。ここでのアートディレクターの仕事は、広告全般の目に見える部分のデザインを管理する仕事とします。10年前まではポスターやパッケージ、ロゴマーク、店頭POPなどグラフィックデザイン的な意味合いが強かったのですが、広告キャンペーンがWEB中心にシフトするにしたがって仕事のフィールドが変わってきていることを強く感じます。そんな業界の変化に戸惑いながら日々自分の仕事に向き合っています。
そこで、この時代にアートディレクターになりたい学生さんや新人デザイナーさんの道しるべ、のようなものを書けたらいいなと思っています。ということでアートディレクターになろうとしている人に必要なスキルを4つご紹介します。
1. タイポグラフィ
フォント選びと文字組が適切だと画面に緊張感が出て、普通のことを言っているのに妙な説得力が出たり、風情が感じられたり、印象を左右するとても重要な役割を担っています。さらに置き場所、読む順番などを計算してレイアウトするのは、一枚のポスターでもWEBページでも、ムービーでも同じ。情報整理と優先順位付けができているかも問われます。