★ 英語スピーチのポイント
○ What I meant by(~で意味したのは)
まず相手を挑発する言葉「お前ら、一生負け続けるな」を放り込んでおいて、次に「だまされる(be cheated)って意味だ!」と説明。こうやって「お前が悪い」と責めるフレーズで煽ってから、次の文章で即座に「俺たちは負かされるんだ」と「被害者になるんだぞ」というフレーズに言い換えることで視聴者の心を惹き付けてから、共感させる高等テクニックです。プレゼンでよく使う手法なので、もう1例文をこちらに。
We will lose in this market, if we keep going.
What I meant by “lose” was, we would be attacked by the innovators!
訳:私たちはこのまま行けば、この市場で負けます。
負けるというのは、革新者に攻撃されるという意味です!
社会のルールってやつはすべて頭のいいやつが作っている
それはつまりどういうことか……そのルールは頭のいいやつに都合のいいように作られてるんだ
引用:三田紀房(2003年)『ドラゴン桜』講談社
Rules of this society is made by the brightest.
That means…those rules are made FOR the brightest.
次に桜木が高校生へ畳み掛けるのが、なぜ「自分たちが被害者になるかという仕組み」です。バカだとだまされるのは、社会のルールを作っているのが頭のいい奴らだから。そして頭のいい奴らは「バカにもわかるように」なんて親切なルールは作ってくれないんだぞ、という警告となっています。
プレゼンで「社会」「ルール」といった意味が広い単語(ビッグ・ワード)を使うと、壮大な雰囲気を与えることができます。数字で緻密に証明するのも説得には必要ですが、相手にビジョンを見せたいときはビッグ・ワードを使いこなしたいところ。
★ 英語スピーチのポイント
○ the brightest(賢い奴ら)
brightは「明るい」という意味で単語帳では暗記させられますが「賢い」という意味もあります。日本語でもある分野に詳しいことを「○○に明るい」と言ったりしますね。
○ by the brightest / FOR the brightest(賢い奴らによって/賢い奴らのために)
by は「~によって」という意味があります。 made by woodなら「木によって作られた=木製」ということ。対して for は「~のために」という意味があるので、made for youが「あなたのために作られた」製品になるわけです。
made by the brightest, and made FOR the brightestを組み合わせると「賢い奴らが、賢い奴らのために作った」という文章になります。つまり、バカに懇切丁寧に説明するようには社会のルールを作ってないぞ、という強烈なメッセージになるのです。
そしてこの後、桜木は締めくくります。
だまされたくなかったら……損して負けたくなかったらお前ら……勉強しろ
引用:三田紀房(2003年)『ドラゴン桜』講談社
このスピーチに胸を打たれた数人の落ちこぼれたちが、東大を目指す受験ストーリーの始まりです。