優しい“だけ”のディレクター
思うに、優しい“だけ”のディレクターは「切りどき・終わりどき」が明確ではないように感じます。
・スケジュールの切りどき
・制作物の終わりどき
・修正の終わりどき
・関係の切りどき
業務をコントロールすべき立場の彼らが、逆にコントロールされてしまう現象が起こるということです。
全ての「切りどき・終わりどき」をなんとなく相手に委ねがちなディレクター。リスクを負いたくないという心理の表れなのかもしれません。
例えばスケジュール。
誰でも納期キツキツはきついですが、逆にゆるゆるだって同様にきついものです。
「スケジュール」とはバラバラな個体、個性、業務、感覚を強制的にひとつのルールに紐づけて底上げして推し進めていくものなので、単純に時間がたくさんあればオッケー。クライアントからの戻しが遅れたからこっちもなんとなく遅れてオッケーとか、そういうお話ではないんですね。
ですが優しいディレクターは、基本的に相手の出方によって相対的な動き方をする傾向にあるので、無駄に長いスケジュールを引いたり、手元にボールがない時は催促されるまで動かなかったりします。
だって優しいのですから。相手に催促するような下賤な真似はしないのです。
ですがこのような優しいディレクターは、相手のことを考えている風でその実、保身に回ってしまっているケースが多いため、他人から信頼を得にくくなるループにハマってしまうことも多いように思います。