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石田衣良の東京が舞台となっている小説4選

マドカ・ジャスミン マドカ・ジャスミン


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3. 1ポンドの悲しみ

主なエリア:恵比寿、新宿、吉祥寺、銀座、二子玉川、西麻布、渋谷

「ぼくは自分が主役をできないのがわかってから決心した。これからは観客として生きよう。それも、できるだけいい客になろうって」
「夜の街では、あぶなくなさそうな人が、一番あぶないんだよ」

『1ポンドの悲しみ』より引用

この作品と出会わなければ、合コンコンサルタントもライター業もやっていなかったのでは? という、わたしの石田衣良デビューな作品。恋愛小説の短編集で、ひとつ5分程度で読めるので、普段あまり小説を読まない人も手に取りやすいです。この短編集、それぞれの話を読み返してみると、生々しいんです。リアルではなく、生々しい。全編通して、登場人物が30代。酸いも甘いも経験し、理不尽、譲れないもの変えられないものも分かってる。ぜんぶ。だからこその葛藤や、喜びが綴られています。30代でなくても、きっと「あ、」とふんわりと共感できる部分があるかもしれません。特にわたしが好きな話は、表題作『1ポンドの悲しみ』『昔のボーイフレンド』『秋の終わりの二週間』です。あと、短編集ということもあり、今回の四作品中、一番多い“トーキョー”が登場するので、実際の記憶と重ねて読むのが楽しいです。

なぜ、目のまえにある簡単なことに気づくのに十年もかかってしまうのだろう。
『1ポンドの悲しみ』より引用

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