ある日、街クリ編集部に呼ばれた。
西島
カツセさん、小一時間ヒマになったときとかに、誰か空いていないかな? と思うことないですか?
カツセ
あー、ありますね。
そんなときに使えるアプリがあるんですよ。「knocker」って言うんですけど。
knocker?
友人を登録しておくと、ヒマになったときにアピールできたり、「今からどう?」って気軽に誘えたりするんです。
それ、LINEとかTwitterで「ヒマだ!」って言えば良くないですか・・・・・・?
カツセさんは、それで痛い目を見てきたんじゃないですか?
痛い目?
たとえば、20人くらいいるLINEグループで「ヒマなんだけど」って投げたのに、返事はないまま虚しく増えていく既読数。
やめて!!?
Twitterで「【ゆるぼ】今から飲める人」とツイートしてから2時間が経過し、いいね!もリプライも付かないままそっとツイ消しした過去のイタすぎる記憶。
ほんとやめて!???????
ほら、既存のSNSでは、“ちょっとした誘い”のハードルが異常に高くなってるんですよ。
精神的ダメージが尋常じゃない・・・・・・ものすごい説得力だ・・・・・・。
knockerは、誰かを誘うのにも、断るのにも、言葉が必要ありません。ヒマな人に「knock(今からどう? とアクションすること)」するだけでいいので、声をかけやすいですし、誘われた側も都合が悪ければ気軽に断りやすいんです。
なるほど、気軽に誘えるし、断られたときのダメージも少ないアプリってことですね。
そういうことです!
それで今回は、このアプリのPRをしたいんですが、
ふむふむ。
早い話、ぶっちゃけこのアプリで何人くらいの友だちと会えるのか、実際に試してもらえませんか?
なるほど? 俗に言う“やってみた系”の記事ですけど、つまりそれって、“集まらなかったらこのアプリは無能”ってことになりません?
いや、そのときは、カツセさんに人望がないだけだと思います。
すごい率直に言いますね。
ということで、今回は再会を促すアプリ「knocker」を使って、実際に友だちに「今からどう?」とknockして、何人集まるか試してみることになった。
本来「knocker」はFacebookと連動させて活用することをメインとしているが、僕のFacebookは1,000人以上友だちがいるのに「2いいね!」で終わることがたびたびあるほど過疎な状態につき、今回は特別にTwitterのフォロワーからアプリの友人を募ることを許してもらった。
【告知】
「今からどう?」と気軽に誘えるアプリ「knocker」を使って記事企画やります!
knockerで僕をフレンド登録しておくと、企画期間中お互いが空いているときに近くにいたらお茶できます!
詳細は画像にて!ぜひ参加を!https://t.co/6nRGup2xj0 pic.twitter.com/tnHofKk0dn
— カツセマサヒコ (@katsuse_m) 2017年8月29日
これが募集ツイート。約250人が友人登録してくれた。
あとはここから何人と会えるかの勝負だ。
尚、企画のルールは以下となる。
・1日で渋谷、吉祥寺、新宿の3カ所を移動し、それぞれの場所で2時間待機する。
・各地でknockerを起動し、空いている人をknockし、実際にお茶などをする。
・3カ所でどのくらい集まるかを測定する。
フォロワーに対する人望が試される、決死の企画が、いよいよ幕を開けた。
12:30 渋谷
やってきたのは、渋谷。
実施日は9月3日、日曜日。天気は快晴。
ロケには最適な気候となった。
カフェに陣取ると、さっそくknockerを起動させる。
これがknockerの画面。リアルタイムでヒマな人が上位に挙がってくるようにできており、画面下部では“自分が何時間ヒマな状態にするか”を設定できる。まずは現在ヒマな人たちにknockしてみた。(knockした人はオレンジ色に変わるらしい)
「全員にシカトされたら、かなりダメージがでかい」と思いながら待っていると、
なんと即レスで1人目のフォロワーがマッチング! やったー!!
さすがヒマな人がログインするアプリー!!!!!!!!!
マッチするとチャット画面に移行して、待ち合わせ場所を決めるためのやりとりをできる。お店の住所を送って、ナンノさんを待つことに。
knockできる相手もヒマを表明しているだけに、連絡が早いことがわかった。
この調子でガンガンknockして声をかけていく。
7~8人くらいknockしてはチャットのやりとりをしたところで、ナンノさん到着!
ナンノさん
本当に呼ばれたから、びっくりしました!
いやー、ヒマなところすみません。
そんなヒマじゃないですよ! 私、今日だけ大阪から東京に出てきているんです!
え!? 大阪から来たの!?
ライブ遠征のためなんですけど、さっき町田に着きました! で、15時にはライブがあるので、本当に今から1時間だけヒマなんです。
マジか、全然“近場でサクッと”じゃないじゃん。
だからマッチしてびっくりしました。
ナンノさんと10分くらい話したところで、さらにいわさきさん(左)とおおひらさん(右)の二人も到着!
いわさきさんは武蔵小杉にいたところをknockされて、駆けつけてくれた。おおひらさんは僕のリアルの友だちで、「渋谷にある自宅でスプラトゥーンをしていたらknockされた」とのこと。このアプリの正しい使い方をした気がする。
いわさきさん
なんかカツセさんに会えたらご飯奢ってもらえると聞いたんですけど。
目的がエグいけど来てくれたのはうれしいです。
おおひらさん
僕も領収書持ってきました。
領収書?
タクシーの領収書です。
同じ渋谷なのになんでタクシー使ったの・・・・・・。
とりあえず集まったので、乾杯!
本来は友人同士を誘い合うためのアプリだが、初対面同士でも十分楽しい。メインの会話が「今なにしてたの?」になるのも、このアプリならではだと思った。
2時間で3人集まって、小一時間昼ごはんを食べて盛り上がり、次は吉祥寺へ!
15:00 吉祥寺
昼時を過ぎたとはいえ、日曜の吉祥寺はかなり混んでいる。
ここならヒマなフォロワーがたくさんいるんじゃないかと思い、knockerをさっそく起動。
今回は、近くにいる人も多そう!
(位置情報をONにしておくと、近くにいる人もわかるのだ)
誰かが駆けつけてくれるまで、しばらく待機。
ひとりでヒマになると、本当にスマホを見るか景色を見るかしかすることがない。
人の流れを見ながらボーっと待つこと30分。
大学生のあおいさんが合流!
コーヒーをテイクアウトして、外で雑談することに。
ヒマだったんですか?
あおいさん
インターンシップの関係で、横浜にいて、さっきたまたま吉祥寺来たところです。
わ、そうなんだ!
で、この後、溝の口で家庭教師のバイトです。
え、メチャクチャ忙しいじゃん。
あと、いま自動車教習所にも通っていて、今朝も2時間教習受けてから横浜まで行っていました。
最近の大学生、多忙すぎでは?
「隙間時間」って意味では正しい使い方だけど、意識も行動力も圧倒的に高い学生に自分のボンクラさが際立った瞬間だった。
そんなこんな、駅前の広場でのんびり話していると、徐々に参加者が集まり始めて・・・・・・
いつの間にか女子会が始まって、取り残されていた。
たまたま4人も女性が集まると、完全に会話に置いて行かれる。
ヒマだからといって一度にたくさん誘うとこんな事態にもなりかねないので、呼ぶ人はちゃんと考えるべきだと改めて悟った。
でも、「人生で初めてスタバを飲んだ」という人もいれば、
「吉祥寺でバイトしているからついでに寄った」という人もいたし、
「ヘビーメタルが好き」という人にその良さを聞くなど、ヒマ同士集まった中にもいろんな発見があった。
ということで、吉祥寺では4人が集まって、ダラダラとお茶する至福の時間を満喫。
場所を移動して、最後の目的地・新宿へ!
18:00 新宿
日曜18時の新宿東口は、もちろん大混雑。
ここならまた何人か集まりそう。
地道にknockしながら、居酒屋でひとり始めることに。
自分のステータスはハッシュタグで自由に決められるので、今の気分を書いておくと話が早くなる。
knockして2分ほど待つと、さっそくマッチ!
高円寺から来てくれることになった!
すてき。ヒマな人のフットワークの軽さ、すごい。
連絡から30分もせずに合流。笑顔がすてきな若松さんと酒を飲む。
若松さん
2時間前くらいに“吉祥寺”のタグを見た時点で、行こうと思ったんですよ。僕、吉祥寺に住んでいるから。
え! じゃあわざわざ新宿まで!?
うん、タイミングが合わなかったから(笑)。でもどうしても誰かと飲みたかったから、まったく問題ないです。
すみませんわざわざ・・・うれしいです。
今回の企画で初めて年上の方と対面。飲みだと年齢層も変わっておもしろい。
と、思ったら次に来たのがなんと18歳の大学一年生、あかりさん。
あかりさん
すみません、お酒飲めないんですけど。
いや、飲ませたらこっちが捕まるから!
マジで年齢関係なく集まるから、ちょっと怖い。
仲間内で使う安心感、大事。
さらに大学4年生のももこさんも合流して、改めて乾杯!
「ちょっと今から飲まない?」と呼びだして集まった仲間と飲むの、本当に楽しい。
ベロベロに酔っぱらう僕。
「テラスハウスを想像してシェアハウスに入居してみたら、まったく想像と違った」とか「インターネットの人に会いに行くとか親に言ったら絶対に怒られる」といった、しょうもなくも楽しい話をしていたら、あっという間に時間が過ぎて、解散に。
こうして3カ所を回るknockerの旅は終わった。
おわりに
結果、渋谷で3人、吉祥寺で4人、新宿で3人、合計10人を集められた。
もっと呼ぼうと思えば呼べたのだろうが、ひとりひとりknockしてチャットに対応して場所を伝えることを考えると、幹事スキルが著しく低い僕にはこのくらいの人数が限界だった。
むしろ「今ヒマ?」と言って10人集まることもさすがに気持ち悪いと思ったので、このくらいがちょうどいいと満足。めちゃくちゃ楽しむことができたし、これは使い方次第でいろんな遊びができそうな予感もした。
本来はリアルの友人たちの間で使うアプリ「knocker」。
会社やサークルの仲間同士で登録しておけば、「3限後に空いてる人!」とか「定時で上がって飲める人!」とかの募集もかけやすい。
「友だちがそんなピンポイントで空いていることなんて、なかなかないでしょ」と思うかもしれないが、そんな“ちょっとした運命”を楽しんでみるのも、粋かもしれない。
いろんな使い方を、皆さんで探してもらえたらと思う。
参加してくださった皆さん、ありがとうございました。
おわり
[広告主]ディライトクリエイション
[編集]街角のクリエイティブ編集部
[ライター]カツセマサヒコ