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バイセクシュアルのわたしが彼氏から言われたこと・彼女から言われたこと3選

岡田麻沙 岡田麻沙


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「なんで電車に乗るん?」とわたしは聞いた。「手をつなぎたいから」と彼女は答えた。外で手をつないで歩いてみたいから、電車に乗って遠くに行きたい、と。わたしたちは「遠くの駅」で降りたけれど、どこかで知り合いに見られているような不安が消せなくて、結局、手をつないで歩くことはできなかった。だけど「電車に乗って、手をつなぎに行く」ことへのドキドキは今でも覚えている。

大人になって田舎を離れた。人工授精のしくみもIPS細胞の可能性も、世界の広さも、当時よりは知っている。どれだけ電車で遠くに行っても振り切ることができないような気がしていた「周囲の目」から彼女を守る方法も、今なら少しは分かると思う。だけど、できてしまえば、できないということがもう、できなくなる。だから「できない」を彼女と共に経験できて良かったのだと思う。どうにかして好きな子と手をつなごうと、2人して勇気を出して電車に乗った。手をつなげなかった。

ど田舎で子供の作り方も分からずに半泣きだった中学生のわたしたちはあの日、「欲しいものを手に入れるために行動をする」ということを知ったのだ。
 

https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/04/acient-planet-1841699_960_720.jpg 

同性と付き合うときには、「できない」から始まる物事の多さに、よく驚いた。異性と付き合うときには、「できる」が当たり前で、気をつけないと上滑りしていく日々に、気を引き締めることが多かった。

愛に性別がないなどという妄言をわたしは支持しない。愛に性別はありまくる。それぞれの景色をわたしは、いとおしいと思う。

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