みんなのための『既読スルー』
これは布教活動の一環です。『既読スルーしてもいいよ教』『あなたのタイミングで返信していいんだよ教』。その布教活動の一環なのです。こういう人間が日頃から地道に既読スルーを続けることで、多くの人たちの「既読したらすぐに返信しなければいけない」という脅迫観念を緩和するという、非常に意味のある活動を行っているのです。優しさの布教活動です。
こう言ってはいますが、既読スルーを“いいこと”だとは思っていません。LINEに限らず、返信のしやすいメッセージアプリは 『チャット形式』と称されるように、文字を通してリアルに会話をしているような感覚を体験できます。例えば、くっだらない会話のようなやりとりがひとしきり続いたとしましょう。私もくだらない会話は大好物なのでそれなりに喜んで続けます。
しかし、相手はどうでしょうか。時には数時間にも及ぶこともあるくだらないやりとり。これらのような『チャット形式』のツールは“新鮮さ”が面白さの優劣をつけるので、コントの掛け合いのようなメッセージをやりとりする場合は、新鮮さを欠かないよう、たとえトイレにいく数十秒、手を洗う数秒、それすらも後回しにして、そのメッセージに心血を注ぐのです。
相手を思うがゆえの手段
つまり何が言いたいのかというと、そのくだらないメッセージのやりとりでお互いの時間を犠牲にしてしまっているのではないか、ということです。
たとえやりとりの時間は楽しくても、時間を費やしすぎたら、ダラダラと中身のないメッセージをまるで殴り合いのように送りつけ合うだけです。ここまでくるとただの義務感でやっているだけなので、もはや楽しい楽しくないの次元ではなくなりそうですね。
それを打破するために、『既読スルー』をするのです。徐々にスタンプに切り替え、締めの合図を鳴らしたあとにフェードアウトするようなまどろっこしいこと必要ありません。
これは、優しさゆえの「スルー」。ということで、ここでは『既読スルー』改め『優しさスルー』という単語に切り替えらせていただきます。