でも、冒険ってなにするの?
かくれんぼに決まってるじゃん! 誰もいない図書室で、二人きりでかくれんぼなんて、こんなロマンチックなことないだろ?
た、たかしくん・・・なにそれ天才!!!
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・・・。
いま、みなさんの溜息が聞こえました。とりあえず謝ります、ごめんなさい。でも、小6の私は『あ、これが恋なんだ! こんな気持ち生まれて初めて! 世界ってすばらしい!!!』と本気で思いました。わかりやすい初恋です。
私達は授業をさぼり、図書室でかくれんぼをしました。そこには、今の私がタイムマシンで戻ってもドキドキするくらい、なんとも言えないスリルとときめきが漂っていたように思います。言葉ではどうにも表せない色々な”ドキドキ”を感じさせられる小6って、たぶん日本全国でも、たかしくらいなんじゃないでしょうか。たかし、恐るべし。
私はこのきゅんきゅん事件以来、たかしの魅力にどっぷりと浸かり、告白する決心をしました。しかし、場所も時間も決めて決行しようとした矢先、なんと彼の両親の海外転勤が決まったのです。
『いつかまた会えるといいね』
とロマンチックに指切りで約束して、彼は外国へ旅立ち、私は地元の中学へ進学しました。中学、高校と進学するなか、心のどこかで「いつかたかしくんと再会する」と夢見て恋愛は一切しなかったのですが、風のうわさで彼は帰国したあと新宿でホストをやっているということを聞き、ようやく目が覚めて吹っ切れました。
“ホストをしている”という噂と同時に、実は小学生時代はクラス1の隠れモテ男で何人も彼女がいたという事実を知り、「私は小学生のころから、翻弄されまくっていたんだなあ」としみじみ感じました。しみじみしちゃだめだ、だめだはるのん!!!
22歳はるのん、振り返れば振り返るほど、いままでの翻弄されっぷりに気付く今日この頃です。
では、今回はこのへんで。