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子持ちの引っ越しは大変だ【連載】松尾英里子のウラオモテ

松尾英里子 松尾英里子


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でも、親はそうはいかない。タイムリミットを気にしながら、数箱だけでもいいからと、子どもたちが遊ぶ傍らで荷造りしようと段ボールを出してみた。でも、子どもにとってはその段ボールがまた格好のおもちゃなのだ。すぐに箱入り息子&箱入り娘になり、程なくしてお店屋さんごっこが始まる。それが終わると「もういいよ~」と、かくれんぼ。100%段ボールの中に隠れているのが分かっているかくれんぼの何が面白いのか、母にはさっぱり理解不能なのだが、子どもたちはお互い「いたー!」と見つけあっては、キャッキャキャッキャ言っている。はいはい、大変結構でございます。

そして、その後に続く遊びが困る。段ボールの中に入り込み、ハイハイしながら前進するのだ。イメージがわかないという方は、下の画像をご覧いただきたい。段ボールはもれなくくにゃくにゃに柔らかくなり、梱包材としての役割を果たさなくなる。


https://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/03/IMG_34391.jpg

これ以上、数に限りある段ボールを彼らにボロボロにされるわけにはいかない。それに加えて、段ボールに荷物を詰めたところから、その荷物を意味なく見事に(しかも楽しそうに)引っ張り出す子どもたち。おい君たち! たった今、しまったばかりだよ! 必死に詰めた母さんの時間を返してくれ!

・・・そうして私は、子どもが起きている時間に引っ越し準備をすることを諦めた。

ちなみにご存知のように、サービス大国の日本には、あっぷあっぷしている私みたいな母親を助けてくれる素晴らしい引っ越しプランがある。荷物を全部まとめてくれるというもので、いくつもの会社が導入している。

しかし、この年度末の時期、引っ越し業界は繁忙期で、ただシンプルに荷物を運んでもらうだけでも顎が外れそうな見積もり金額を提示されることをお伝えしておきたい。全部で5社ほど見積もりをお願いしたが、「びっくりしないでくださいね」と前置きされてから見せられた金額に「びっくり以外の感情が湧きません」と言わずにいられなかったくらいである。

そうだ、それからもう一つ、お伝えしなければならないことがある。なかなかママ友に伝えられなかった引っ越しの件だが、無事に(?)皆に知れることとなった。「おひっこしするの~。あたらしく〇〇ようちえんにいくの。うちにとまりにきてもいいよ」と、頼みもしないが息子が饒舌にママたちに話していたのだ(しかも上から目線!!)。担任の先生と相談し、保護者会で言いましょうと決めていたのだが、息子の口には戸はなかったようである。まあ、おかげで皆に伝えられたので、結果オーライとしようか。

さあ、やるしかない。時間はあとわずか、限られている。そうして今日も、眠気に逆らい大仏様のような半眼になりながら、せっせと箱詰めをする夜を迎えている。睡眠不足にならざるをえない、これがまた、子持ち引っ越しの辛いところだな。

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