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頭痛になるけど許す!【連載】松尾英里子のウラオモテ

松尾英里子 松尾英里子


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4歳になった息子はもちろん、娘もとうに授乳期間を終え、最近では一度眠りにつけば朝まで寝てくれるようになった。そして、必ず夜中に目を覚ます妊娠後期、授乳期が終わり、私にも2年ぶりにぐっすり眠れる日がやってくる、はずだった。

でも、今のところどうだろう。朝4時になると、不思議と息子も娘も私の布団に入ってくる。そして、息子は私の体の下に足を挟み込もうとし、娘は娘で私の首に冷えた手を当ててくる(1歳の娘は、まだ手をバンザイした体勢で寝るので、明け方には自ずと手が冷たくなってしまうのだ)。ヒヤッとした感覚に、腰のあたりにゴリゴリ来る異物感。待ちに待ったぐっすり眠れる日はまだ遠く、目を閉じたまま脳が覚醒しているような状況が始まるのである。もしかしたらこんな日々の蓄積が、王さんの言う「眠れていない体」を作っていたのかもしれない。

朝起きて、子どもが両脇にいるというのは嬉しいものだ。寝返りも打てないくらい狭くて嫌なこともあるけれど、「母として求められている自分」に自己満足する瞬間でもある。ヒヤッとした娘の手を首に感じ、もうやめてくれ~と思いながら、決して払いのけない自分。息子の足のゴリゴリした感覚に苛立ちながら、5回に4回くらいはそのままにする自分(残りの1回は、静かに足を移動させたり、足から逃げたりしています)。これを「母の優しさ」と言うか「母の自己満足」と言うかは、解釈次第だろう。

まだまだ、と思っていたのに、どんどん大きくなっていく子どもたち。子どもといて本当に楽しいのは最初の10年、とある人が言っていた。息子の場合は4年が、娘の場合でも2年近くが経ってしまった。さすがに来年の今頃には、ぐっすり眠れるようになっているのではないだろうか。それまではこのままでよしとするか。

たまたま行った王さんの店だったが、結構そこが気に入ってしまった私は、「頭痛になっても王さんのところに行けば大丈夫」という可笑しな安心感を得て、また今日も眠り浅めな朝を迎える。

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