• MV_1120x330
  • MV_1120x330

2016年流行語大賞のノミネート30ワードで小説を作ってみた

西島知宏 西島知宏


LoadingMY CLIP

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

保育園落ちた日本死ね・・・

「本気なの?」

「うん」

松友は本気のようだった。本気で日本に、トランプ現象に乗っかり、ドナルド・トランプのAIと揶揄される時の政権に、喧嘩を売るつもりだった。

「わかったわ、それがマイナス金利。ひいては都民ファーストにつながるわけね」

松友は頷く。

松友の決意に満ちた目を見て、高橋もようやく決断したようだった。

「決行は深夜0時にしよう」

松友は、少しの間だけでも眠った方がいいと高橋をソファーベットに促した。
高橋は愛用しているおそ松さんの目覚まし時計を23時45分に設定し

アモーレ・・・

遠く離れた日本で、くまモン頑張れ絵を描き続けている恋人を、想った。

目覚ましが鳴る5分前、高橋はCNNニュースから流れてきた「SMAP解散」という言葉に違和感を覚え、ゆっくりと瞼を広げた。松友の姿はなかった。

「まさか」

高橋が松友の姿を探し部屋中を見回す過程で、コーナーテーブルに置かれたノートの切れ端を見つける。

そっと立ち上がり、切れ端に書かれたメッセージに目をやる。

聖地巡礼してくる。”

「なんてことを」

高橋は身体中の力が抜け、その場に崩れ落ちた。

松友は、これからの日本のために、そして大切な高橋のために、新しい判断を下した。

「I’m a perfect human.」

高橋の頭をよぎったのは、松友が忘年会で披露するはずだった、ノミネート漏れの言葉だった。

街角のクリエイティブ ロゴ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP