人は30分でどれだけ書けるのか？ 30分で書ききるコラム（動画付き）
早速はじまってしまったが、本当に書くことを決めていない。
制限時間は30分。普通、街クリで記事を書く際には数時間、下手すると数日かけて調べたり、聴いたり、観たり、鼻をほじったり、途中で酒を飲みに行ったりして執筆するので、今回はかなり短い時間である。
30分と言えば、だいたいアニメ1話分、CMや主題歌などを勘定に入れたらもっと短いだろう。と、なると、アニメの1話には、僅か30分弱の合間に膨大な情報量が詰まっていることになる。
もちろん、このコラムにはそんな情報量は含まれることはないだろう。私の人生と同じで非常に薄っぺらい話になるはずだ。と、こんなことを書いていろいろと文字数を稼ぎごまかしてはいけない。今、缶コーヒーを口に含んでちょっとこぼしてしまったからと言って、ティッシュを探して拭いてもいられない。世の中はいつも上手くいかないことだらけである。
さて、もう4分も経ってしまった。時の流れとは恐ろしいものである。正直、腹も痛くなってきた。思い起こせば昨日、ちょっとマズそうな（賞味期限的な問題で）鶏肉を食ってしまったからか、若干腹具合がよろしくない。嘘だ、若干どころではない。今、ナウ、この瞬間、結構痛い。
むしろ「出たがっている」と表現するのが正しい。なんなら、ちょっとコンニチワしている。しかし、今便所に行くわけにはいかないのである。ここは2階、便所は1階、下に降りて便所の扉を勢いよく開き、ズボンを下ろして着席し、捻り出して尻を拭いて出る。出たあたりでズボンを上げていないのに気付き、そこでまた人生を反省してしまい、時間をロスする。
3･･･おそらく5分はかかるだろう。人生は常に選択を迫られる。うんこを漏らしたら洗濯も迫られる。行くか、行かないか、出すか、我慢するか。私は我慢することに決めた。
しかし、私は幼少の頃より胃腸が弱く、腹が下り気味だったので、こういった状況には慣れている。小学生、中学生、高校生、専門学生、そして社会人と、何度も修羅場をくぐり抜け、時にはくぐり抜けられずに、それでも今を一生懸命生きている。一生懸命以外の部分は本当だ。
小学校3年生のとき、算数の授業で
「せんせーい、トイレいっすかー」
と手を上げたら、
「もうすぐ授業が終わるから、そこまで待てないのか」
と言われ、子どもながらに「いや、待てぬし我慢できぬからこちらは恥をしのんで手を挙げているのだ」と思ったものである。
20歳の頃に部屋探しに行くために乗車した中央線でのバトルもそうだ。あの日は高熱と下痢のダブルパンチながらも、嗚咽以外は漏らさずにミッションを終えた。
あの時に比べたら大したことはない。人間、経験することで成長するものなのである。
まあ、本当にヤバい時は、文字も打てなくなるものだ。この画面が3分以上止まっていたら、察して欲しい。そして今、ちょっぴり尻を左右に動かしながらこれを書いている。結構打ちづらいので、ぜひ皆さんも挑戦してみて欲しい。
あっという間にそろそろ半分の時間が経とうとしている。
私は今まで何を書いたか、ちょっと読み直してみよう。読み直してみた。何も語っていないに等しい。人生はこうやって時間が過ぎていく。当たり前ポエムになってしまった。
ああ！ しかし！ 腹が痛い。ここは別のことを考えて気を紛らわすことにしよう。先程から貧乏揺すりで机も震えている。画面上で振動が反映されないのが心苦しい、皆さんにお見せしたい。
そうそう、別のことだ。パッと思いつく限りでは、昨日頼んで今日到着するはずのAmazonが、夜中の1時になっても、未だ届いていない。一体何をしているのだろうか。ヤマトの人が事故っていないか心配である。
荷物の遅延について、私は結構寛容な方であると思う。別に届かなくても良い、いや、届かなくては困るが、多少の遅延は仕方がない。なぜなら、私も締切を良く飛ばすからであり、どの口で「Amazon来ねえよ！」と言えるのか。
ただ、昨日頼んだ商品は仕事で使うもので、お急ぎ便で時間指定で注文したものである。率直に言って、明日無いと非常に困るものなのだ。困るが、無いのだから仕方がない。とも言えないので、朝一でどこかへ探しに出かけるしかない。
ローマ字打ちしかできなくなったので一瞬焦った。残りはあと5分である。僅か25分の間でも、ネタは思いつかないし、腹は痛くてうんこ漏れそうだし、Amazonが届いていないのを思い出してプチ絶望するし、何らかの不具合でローマ字しか打てなくなる。
人生は上手くいかないことばかりだ。電車にすんでのところで乗り遅れたり、レストランで注文した品が来なかったり、バーで「おかわりください」と言ったら赤ワインが来たり、飲むヨーグルトの賞味期限が切れていたり、豆苗が上手く育たなかったり、洗濯物を干して出かけたら雨が降って来たり、コンビニで傘を窃盗されたり、控えめに言って、クソまみれである。
さあ、後1分しかない。最後に、Amazonの件でとっておきの面白い話があるのだが、残念ながら時間が足りないようである。大変心苦しいが、今回はこの辺で。
というか、トイレに行かせてください。
