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(3)退職交渉が一番の修羅場? 転職を巡る最後の戦い【連載】外資系OLの大人社会科見学

トイアンナ トイアンナ


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~これまでのあらすじ~
転職エージェントに振り回され、100万円の出費をしたり準備もなしに面接を受けることになったトイアンナ。はっきり言って「もう誰にも騙されたくない」という気持ちでいっぱいでした。

そんな私へ「それは大変でしたね」と親身に話を聞いてくれるエージェントが、ついにキターーー!!

最強の転職エージェント登場

今回面談したのは、外資系に強い転職エージェント。そもそも私は外資の「実力主義」「長時間労働」に疲れて転職を志したはずでした。それなのに結局同じ畑に戻るのか、と思いつつ、一縷の望みを託して「22時に帰宅できるような企業って、外資にもあるんでしょうか・・・?」と聞いてみました。

「トイさん、いったい今までどんなところで働いてきたんですかっ!? ありますよ! 22時に帰宅できる会社なんて山ほどありますよっ!」

目からウロコ。新卒の頃から受けてきた企業といえば、俺のターン! 「プライベート」を生贄に捧げる代わりに「やりがい」「給与」を召還! ターンエンド! な業界ばかり。確かに平均20代後半女子の給与である295万円は超えていましたが、時給換算はかなりお安く使われて、泣きながら過ごした数年間でした。

女性かつ20代であるというハンデをもろともせず「実績は何ですか?」と聞いてくれるエージェント。忘れかけていましたが、外資系であれば年齢や性別で差別されることはありません。「もしかしてだけど、私の時代が来ちゃったんじゃないのぉ?」と家で金麦をプシュっとやりながら、ニタニタ笑っていました。

退職地獄の幕開け

その後、転職エージェントさんにアドバイスされるまま「ホワイト外資系企業」を受けること数社。無事に内定ホルダーになることができました! いやあ人生で内定者になるって何度経験してもいい気分です。実際の業務は知らない割に、肩書きで「つらいわー、エリートの内定者つれーわー」ってドヤってられますからね! 

そのお陰か現職の仕事にも身が入り、転職活動をしていた期間に営業成績は急上昇。これがまさか退職地獄へのプレリュードだとは思ってもみませんでした。
「トイさん、辞めるってどういうこと?」

上司に真剣な顔で面談された瞬間「やばい」と血の気が引きました。社内で営業成績が上がってしまったら、辞めづらいに決まってるじゃん・・・。
なお、ここまで一切触れてきませんでしたが、私には認知症の親戚がおり東京で介護をする必要があったというのも転職活動の背景にありました。認知症に対応できるケアマネージャーは深夜までいてくれないので、夜早めに帰れる職業への転職がマストだったのです。それをバカ正直に話したところ、
「夜早めに帰れるようにする」
「本社へ配置転換する」
「営業の外回りがきついなら、内勤営業へまわす」
と、怒涛の譲歩をいただくことに。

--さすが外資系企業。辞める動機を論理的に一つずつ潰してきました。しかし、すでに心は次の企業へ向かっています。介護をしながら現職に残り続けるのが不可能なのも、厳しいながらも事実。
何とか乗り越えようと新卒で入社して以来、最高頻度での「申し訳ありません」「すみません」「申し訳ありません」で謝罪と謝罪のミルフィーユを作り、退職届へサインを終えた時には2週間が経過していました。

後で調べたところ、このような退職交渉はまだ甘いほうで、場所によっては日系企業のほうが大変なようです。
「お前はこの会社を愛していないのかぁっ!?」と感情論でぶん殴られたり「2度とこの会社の敷居はまたげないんだぞ、それでもいいのか?」とさながら勘当のような脅しを受けたりと苦労されるとか。

外資系企業ではどこの新卒も即戦力採用に近く比較的愛社精神もドライですが、日系企業の場合は長期間を社員の育成に当てますから「こんなに可愛がってやったのに」という思いが強くなるのかもしれません。これから転職される方は、退職交渉の時間を予想の2倍確保しておいてください。

HAPPY END そして

手続きも終わり、上京した私を待っていてくれたのは転職エージェントの方でした。

「とりあえず飲みに行きましょう!」

積もり積もった話を聞いてくださり、千鳥足で帰る頃には仕事の苦労に恋愛相談、果ては「私、子育て向いてますかね?」なんていう人生相談までしていました。転職後も数ヶ月に1度は「転職先はいかがですか」と生存確認の連絡をくださる、素晴らしいエージェントさんです。

おわりに

今まで3回にわたって転職活動の記録を書いてまいりましたが、正直年収から幸福度まで転職エージェントひとつでここまで変わってしまうことに驚きを隠せませんでした。もし1社しかエージェントに連絡せず、妥協の転職をしていたら。もし「介護を優先するなら、もう辞めるしかない」とキャリア自体諦めていた可能性を考えるだけでぞっとします。

これから転職される方、ぜひ数社のエージェントにコンタクトして「年収が200万下がると言われた翌週に、年収1,000万も夢じゃないと言われた!」とハラハラして、冒険を楽しんでください。さて、私もそろそろ転職しようかな・・・

☆次回は新シリーズ「誰もが知ってるけど怖くて入れない、秘密のバーに潜入!」編です。

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