• MV_1120x330
  • MV_1120x330

(2)「私の年収、高すぎ!?」転職エージェントとの仁義なき戦い【連載】外資系OLの大人社会科見学

トイアンナ トイアンナ


LoadingMY CLIP

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「新卒で入社したら、まず年収1,000万は欲しいですよね。毎年昇給しないと困りますし、別に最初は高望みするつもりもないんで、こんなもんでいいかなと」

と、数年前に言ってきたのは某二郎大学の3年生でした。喉まで出かかった「おんどりゃドタマ排水溝に突っ込んだろか」という言葉を飲み込んで、心底丁寧に「あのね? 世の中はね? 甘く無いんだよ?^^」と説明した記憶があります。

そんな私も社会人数年目。自分の年収については「まあまあかな」と思いつつ、でもそんなに豪遊してもおらず……正直、転職を決意した時は「年収は上がることはあっても、下がることはあるまい」と思っていました。

大手転職エージェントに出会って3秒で冷や水

前回の転職アドバイザーとは別の会社とアポを取っていました。転職エージェント1社では紹介してもらえる案件も限られるため、転職活動中は数社掛け持ちすることも多くあります。私のような外資系の人間であれば「外資系に強い転職エージェント」「日系企業に強い転職エージェント」「ベンチャーに強い転職エージェント」などと2~3社掛け持ちして、どのキャリアがよいか天秤にかけます。

今回は「日系企業に強い大手エージェント」へ足を運びました。エージェントのオフィスが入っているビルの背丈が高すぎて、権威を感じます。オフィスに貼りつく無数の窓へ移る青空は、忘れかかっていた大企業病を再発させてくれました。ああん大手大好きチュッチュ! 私おっきなオフィスビルで、社員食堂使ったり電話会議してみたあぁい!

なんてバカなことを考えている私に、大手転職エージェントさんは出合って3秒で冷や水を被せてくれました。

「トイさん、現状の年収を維持するのは、厳しいです」

WHAAAAT!? 最初に訪れた転職エージェントさんはそんなこと言わなかったぞ! 「転職に100万円かかります」とは言われたけどよ! 

「なんで、でしょう?」

「20代の女性ですと、どうしても年収300万円を超えるのは難しいかと……」

まさかの、性別と年齢切りでした。

転職は男女差別の入口

女性が初めて強烈に男女差別を思い知るのが、就職活動と言われています。「一般職」という区分けももちろんのこと、面接で「結婚したら辞めてくれますか」と言われたり、OBG訪問で異性として口説かれて困惑したり。

しかし外資系企業を含め、この世には男女差別がない就職ルートも残されています。外資系企業では女性だから・20代だからという理由で出世できないことはまずあり得ません。野球選手のようにバッターボックスで打てなければ解雇されますが、ヒットを飛ばしてさえいれば20代でも40代でも給与は同じです。

しかし転職は、そんな例外女子にもアイスバケツチャレンジを強います。少しでも「伝統的な日系企業へ行こうかな」と思ったバリキャリ女子は初めて自分が【20代・女性】なんて枠にいたことを知るのです。

そんなこと、意識したことすらなかった。
ショックを受けて固まっている私を尻目に「やれやれ」という顔で書類の記入を進めていく転職エージェント。転職エージェントの報酬は「企業が採用した人の年収」で変動します。つまり、若い女のように年収が低くなりやすい人間の相談は「金にならない案件」ってことです。

と・思ったら「来週面接です」

その日はとぼとぼ帰りました。自分の市場価値の低さもショックでしたが、職務履歴書をガン無視されて「20代・女性」で切られてしまった理不尽さ。せめて能力が無いって言われたかったよ。今日は立ち飲み屋で4合飲もう。

なんて思っていたら、いきなりのコール。先ほどの転職エージェントでした。
「トイさん、来週面接に来られますか?」

いきなり!? 「でもっ、でも私まだその企業のこと全く存じ上げませんがっ」と慌てるのをよそに「先方へ行って話を聞くだけでいいですから」とのお電話。転職って志望動機訊かれないの? いくら即戦力を求めているにしても適当すぎでは? 訝しがりながら念のため、企業名でGoogle検索してみました。先方は某有名アパレル会社で、まさに「女性がキラキラ働いていそう」な場所。

ここなら、日系企業でも男女平等に働けるかも。

とりあえず行ってみなきゃ始まらない。石橋を叩くより渡りながら考えるタイプの私は、面接のアポがとりあえず入ったことで、転職へのモチベーションを高めていました。

「話しを聞くだけ詐欺」で爆死

当日は、面接先のオフィスへ真新しいスーツで登場。昨日まで会社でジャージで仕事していたとは思えない清潔感。圧倒的転職力。これでとりあえず乗り切ろうと信じ、颯爽と面接の部屋へ入りました。

面接官「で、アパレルに強い弊社へぜひ! と転職エージェントから伺っておりますが・・・・・・弊社の服は何着お持ちですか?」

死んだ。

こうして転職エージェントの「話しを聞くだけでいいですからとりあえず面接受けてくださいよ詐欺」に引っかかった私は、さっそく1社落ちました。その後このエージェントさんには連絡しておりませんが、もう、いいよね?

☆次回は「内定より退職するほうが100倍大変。転職最後の修羅場編」です。

街角のクリエイティブ ロゴ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP