しかし、そんなある日、カフェでコーヒーを飲んでいると突然途方もない虚無感に襲われました。
『就活終わったけど･･･やる事なくなっちゃったなあ』
私は意識が低いからこそ、生活すべてを就活色に染めながら約半年間過ごしてきたので、就活を終えた今どうやって生きていけばいいのかをすっかり忘れてしまったのです。この話をすると、聞いてくれた人は、おまえはバカなのか？ と100％答えてくれます。予想通りの答えをありがとう！ と思いながら心は涙を流しています。
熱中すると、一つのことに体中の血を一気に注ぐため、その熱が冷めると一気に貧血を起こすような私の人生。例えば、10年近くにも渡る初恋が散ってしまった後や大学受験の合格発表の後。思い返せば、こんな事は私の人生の中で多数繰り返されている出来事でした。忙しくて、要領の悪い人生だなあといつも思います。
夕暮れという時間帯も手伝って、さらなる虚無感に襲われながら私はカフェを後にしました。とぼとぼと改札に向かい、電車に乗り込むとこれでもか！ というほどイチャイチャするカップルが目の前に座っていて目が離せなくなってしまいました。罪悪感に苛まれながら、私は妄想を繰り広げてしまいました。年は男女ともに同年代くらいで、きっとデートの帰りかなという雰囲気。
これからどちらかの家にでも行くの？ でもまだ早いから夜ごはんでも食べるのかな･･･。妄想はとどまることなくカップル誕生の瞬間までさかのぼってしまいそうになった時、なんだか無性に悲しくなってきました。私だって･･･！ 私だってイチャイチャくらいしたい･･･！！！ ワンチャンとかじゃなくて、なんかこう、もっと純愛的なやつ！ 思い出して切なくなるやつ！！！
私は、そのイチャイチャを20度見くらいしながら、羨ましい気持ちと共に闘志を燃やしていました。大人に翻弄されまくってきた私にだって、大学生らしく大学生と大学生カップル的なイチャイチャをする権利だってあるはずだ！！！ あるだろう！！！ 私にだってそれくらいの権利は保障されているはずだ！！！ 勝手に闘志を燃やされたカップルには大変申し訳ないのですが、私はすっかり先ほどまでの虚無感を忘れて新たな目標を頭に描いていました。
大学生らしい彼氏を作って、大学生らしいデートをする！！！
