• MV_1120x330
  • MV_1120x330

パリジェンヌの足元最新事情

木村真紀 木村真紀


LoadingMY CLIP

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 おしゃれは足元から、とはよく使われる常套句ですが、思わず目をとめてしまうのが春先のパリジェンヌの足元。ここ数年のファッショントレンドである“リラクシング”を足元に投影しているのが、スタン・スミスをはじめとするスニーカーやローファーといったマスキュランなシューズたちです。あえてワンピースやロングスカートに合わせて“フェミニン×マスキュラン”のスタイルを楽しむのがパリジェンヌ流。また、スタイリングの主役になれるカラフルでグリッターなパンプス、構築的なフォルムやストラップのデザインがユニークなサンダルをゆったりとしたシルエットのパンツやオーバーサイズのトップスに合わせた“ラグジュアリー×カジュアル”の着こなしもさすがの一言です。
 では、具体的にはどのブランドが人気なの? そんな疑問にお答えすべく、パリの暖かい天気に合わせて続々とお目見えする新作シューズの数々を、今年2月に大幅リニューアルを経て新しく生まれ変わった靴売り場が大注目の『ボン・マルシェ』からお届けします。

シューズラバーが恋におちる『ボン・マルシェ』の靴売り場

東京で言えば新宿伊勢丹のような存在の『ボン・マルシェ』。
パリで最も古い老舗の百貨店ながら、定番ブランドはもちろん、今注目のブランドをいち早く取り入れるセンスやブランドの世界観を共有できるよう工夫されたディスプレイ、アーティストとのコラボレーションなどが常に話題をよんでいます。そんなオシャレ発信地であるボン・マルシェが今年2月、渾身のリニューアルをしたのが靴売り場。「Le soulier(フランス語で靴の意)」と名付けられた2000平方メートルという壮大な空間に約の65のブランドが一堂に会します。

「各シーズンの最新トレンドをラグジュアリー、デザイナーズ、アヴァン・ギャルド、そしてトラディショナルの4テーマに分けて構成しています。今シーズンの全体的なトレンドキーワードは“グリッター”。どのテーマにも数多くのシルバーを中心としたグリッターな靴たちが並びます。また、J.M.ウェストンやチャーチといったマスキュリンなシューズたちの人気も再熱しています」

と教えてくれたのは広報のマチルドさん。ボン・マルシェ注目のブランドとともに今期のトレンドを見ていきましょう。

百貨店の中とは思えないほどの開放感が靴選びの時間を楽しくさせてくれる。アール・デコを基調としたデザインが印象的。

今期はずせないのは“キラキラグリッター”シューズ

数多くのブランドがこぞって発表している“グリッター”シューズ
足元にラグジュアリーな印象を与えてくれるこのキラキラのトレンドはハイヒールはもちろん、サンダルやスニーカーにも飛び火。ラグジュアリーをカジュアルに着こなすスタイルが支持されている中、大人気ブロガーの『キアラ・フェラーニ』が自身でデザインをてがける同名ブランドのスニーカーがファッショニスタたちの注目シューズになっています。

また、独特のヒールデザインや建築を思わせるフォルムでシューズマニアがこぞって買い求めていると話題なのが『ニコラス・カークウッド』。グリッターをまとった新作はストラップに繊細ながら凛としたリボンを施し、エレガントさと強さを兼ね備えた足元を演出してくれます。
ほかにも、『ロジェ・ヴィヴィエ』のサテン地にマルチカラーのスワロフスキーを施したフラットシューズや『マーク・ジェイコブス』のブラックレザーのステッチが印象的なシルバーのダービーシューズなど本当にたくさんの新作が勢揃い。さまざまなスタイルでグリッターを楽しむのに最適なシーズンの到来です。

  • グリッター感満載な『キアラ・フェラーニ』の新作エスパドリーユ。アッパーにデザインされた彼女らしいポップなアイモチーフが目を引く。ほかにもマルチカラーシルバーにポップコーンとコーラのモチーフ、イエローシルバーにリップとリップスティックのモチーフなどのバリエーションが揃う。スニーカータイプもあり。
  • ロンドンを拠点に活躍し、構築的なフォルムと独特なデザインのヒールが人気の『ニコラス・カークウッド』。バックに施された長さの違う3層のリボンが甘すぎない女性らしさと特別感を演出。深く切り込みがはいったトゥーのデザインが足を綺麗にみせてくれるのもうれしい。

とまらないスニーカー&マスキュリンシュ―ズブーム

パリではスタン・スミスブームが顕著。オシャレパリジャン、パリジェンヌの足元を独占中です。
ここ数シーズンは多くのデザイナーズブランドもストリートスタイルにインスパイアされたシューズを多々発表していて、スリッポンやローファー、ダービーシューズなどカジュアルでマスキュリンな表情をもつシューズに支持が集まっています。
今期のスニーカーはコーディネイトの主役になれるカラフルなスニーカーがトレンドで、花や鳥などのモチーフをプリントしたスリッポンやマルチカラーを配したバスケットシューズなど、春夏の着こなしに大活躍間違いなしの1足が多く揃います。

また、マスキュリンなシューズの流れも継続中で、チャーチやJ.M.ウェストンといった老舗メーカーの定番シューズの人気はもちろん、イギリスの『グレンソン』の新作シューズにも注目が集まっています。老舗ながらの伝統製法や上質な素材はもちろん、アッパーデザインにモダンさを加え、ラバーソールと組み合わせるなど今履きたくなるアイテムが豊富にラインアップ。トレンド感がぐんとあがるスニーカーやマスキュリンシューズ、今期はさらにバリエーションが広がり1足は持っておきたいマストハブアイテムです。

  • イタリアを代表する新進気鋭ブランド『MSGM』のボン・マルシェとの限定コラボシューズ。コットン地にプリントされた鳥モチーフのプリントがとってもユニーク。ソ―ルに差し込んだオレンジが明るさと華やかさをプラスしている。
  • 洗練されたタイムレスがテーマの『Twins For Peace』は、売り上げの一部がチャリティになるというコンセプトも魅力的。ビーズをカラフルにあしらったバスケットシューズはデニムにはもちろん、膝下丈のスカートと合わせて楽しみたい1足だ。
  • 1866年に創業した老舗シューズメーカー『グレンソン』。良質な作りはそのままに、新作にはモダンなアッパーデザインが特徴的な1足が揃う。写真のダービーシューズには光沢のあるグレーやホワイトといったバリエーションも。
  • 『グレンソン』の新作ローファー。見た目に上質な皮の質感がわかるのはさすがの一言。大きめのタッセルを4つあしらったアッパーやコレクションを通して顕著な厚めのラバーソールとの組み合わせがモダンな印象を与えている。

ボン・マルシェが注目するブランドBEST5

 各国から今注目のブランドを選りすぐり、都会の洗練された女性に似合う靴を中心に約65ものブランドを揃えるボン・マルシェ。中でもシューズラバーが今最も支持する“イット・シューズ”ブランドを5つ、新作とともにご紹介します。

ソフィア・ウェブスター

 まずは、一度見たら忘れられないインパクトをもつロンドン発の『ソフィア・ウェブスター』。ニコラス・カークウッドのアシスタントとしてキャリアをスタートさせ、2013年のコレクション発表以来、世界のファッショニスタの注目ブランドとなっています。その魅力はなんといっても独創性あふれるデザイン。型にはまらない自由な発想で生み出すカラフルな1足は、コレクションしたくなるアートピースといっても過言ではありません。今期の新作には、今にも飛び出しそうな躍動感溢れる羽をかかと部分に施したバタフライパンプスやピンクとイエローのクリアストラップとパイナップルをあしらったヒールが心踊る夏の足元を演出してくれるサンダルなど、今期もソフィアらしいアイコニックなシューズが数多く登場。思わず心を奪われるシューズなので、店頭ではご注意を。

  • http://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2015/05/SOPHIA-WEBSTER-Sandales-Evangelinecuir-440e-en-exclusivite-au-Bon-Marche1.jpg
  • http://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2015/05/SOPHIA-WEBSTER-Sandales-a-talons-cuir-brides-et-polyurethane-570e-Le-Bon-Marche1.jpg

ローレンス・ディケイド

 2つ目は、クローゼットに500足以上のシューズをコレクションしているというシューズマニア『ローレンス・ディケイド』がてがける同名のブランド。エレガントさやセクシーさを意識したデザインと履きやすさを両立した彼女のシューズは、長い間ずっと履き続けられる普遍のシックさにどこか今っぽさを感じさせる絶妙なクリエイションが魅力です。その実力が認められ、ジバンシーやバルマン、オスカー・デ・ラレンタという錚々そうそう たるブランドとコラボレーションも行っています。
そんな彼女の新作は3つのバックルが印象的なアイコンブーツ「メルリ・ブーツ」のバリエーションが豊富。中でも、赤と白のストライプ地にフラワーモチーフの刺繍を施したサンダルが秀逸。メルリ・ブーツのデザインを思わせる5つのバックルがとても印象的で、デニムはもちろん、ロングスカートやショートパンツとも相性抜群。街中はもちろん、バカンスに海沿いに連れて行きたい1足です。

タビサ・シモンズ

 続いて紹介するのは、もともとVOGUEなどでスタイリストとして活躍していた『タビサ・シモンズ』がデザインする同名ブランド。現在もカルバン・クラインやアレキサンダー・マックイーンのショースタイリングを手がけるトップスタイリストの一人です。そんなスタイリストならではの目線でデザインする彼女のデザインはコーディネイトがしやすいベーシックなデザインが特徴。さらに、質感にこだわったエキゾチックレザーやスエードといった素材をクチュールの職人がてがけるという本物志向の靴作りが他とは一線を画しています。ストライプのフラットサンダルやエスパドリーユ、ベージュのシンプルなウエッジソールといった夏にギアを合わせた新作が揃う中、注目したいのはトレンドを意識したグリッターのサンダル。太めのヒール、ストラップのデザインが、マスキュリンなエッセンスを加えて着こなしの幅をぐんと広げてくれます。夏のどんなコーディネイトも引き受けてくれる万能シューズ。ショッピングリストの1番上にランクイン間違いなしです。

  • http://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2015/05/LAURENCE-DACADE-Sandale-a-talons-cuir-et-toile-brodee-700e-Le-Bon-Marche-Rive-Gauche1.jpg
    『ローレンス・ディケイド』
  • http://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2015/05/THABITA-SIMMONS-Sandales-cuir-et-glitter-450-Le-Bon-Marche1.jpg
    『タビサ・シモンズ』
マローネ・スリアーズ

 4つ目は、ファインレザーにこだわったウルトラフェミニンなデザインが魅力の『マローネ・スリアーズ』。カーフ、ナパ、エキゾチックなど、バリエーション豊富なレザーと発色が本当に鮮やかなレザーを使い、エレガントかつセクシーな女性像を彷彿とさせるデザインが見事なイギリス発のブランドです。オープントゥーやサイドカットなど足を綺麗にみせてくれる工夫が多く施されているのも同ブランドならでは。目移りするほど魅力的な新作が多く揃う中、シューズマニアが注目しているのが自分の好きな素材やカラーを選んで作ることができる『Made to Order』。5mmのフラットシューズから11cmのパンプスまでのヒールバリエーション、17のスタイルの中から選んだシューズは、イタリアにて製造され、約2ヶ月で完了するそう。頑張った自分へのご褒美に、結構式などの記念日に、一度はオーダーしてみたい靴好きのドリームプロジェクトです。

フランチェスコ・ルッソ

最後は、セルジオ・ロッシのクリエイティブ・ディレクターとして活躍し、現在はディオールのシューズ部門のデザイナーを務める『フランチェスコ・ルッソ』の自身の名を冠したブランドです。グラディエーターサンダルからハイヒールといった幅の広いアイテムを発表する同ブランドですが、どのシューズにも洗練されたラグジュアリーさが存分にちりばめられています。かかと部分に立体的にあしらわれたレザーが目を引く新作は、オープントゥーにグリッターを採用し、さりげなく香るトレンド感がとても上品。異素材を巧みに組み合わせた、強さを兼ね備えたエレガントな女性にぴったりの1足です。

  • http://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2015/05/MALONE-SOULIERS-Escarpins-prix-sur-demande-Le-Bon-Marche-Rive-Gauche1.jpg
    『マローネ・スリアーズ』

  • http://www.machikado-creative.jp/wordpress/wp-content/uploads/2015/05/FRANCESCO-RUSSO-Escarpins-cuir-et-glitter-750e-Le-Bon-Marche-Rive-Gauche1.jpg
    『フランチェスコ・ルッソ』

 本当に多くのブランドがさまざまなアプローチで取り入れているキラキラグリッターモチーフ。ぜひ、お気に入りのグリッターシューズを1足取り入れて、今年らしい足元を楽しんでください。

街角のクリエイティブ ロゴ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

TOP