建築家には人気がない!? ノイバウ物件
アルトバウと対照的なのが、英語でnewと同じ意味を持つノイ(neu)を用いたノイバウである。その名の通り、新しい建物のことを指すが、築100年~70年がアルトバウとされ、それ以降に建てられたものは全てノイバウになるため、日本では古いとされる建物でも新築扱いとなる。天井の高さが日本の一般的なマンションと同じ2.5mほどで、アルトバウに比べるとかなり低く感じる。
建築家から見ても、アルトバウの方が価値があるとされており、人気も高く、数も少ないため、ノイバウはデベロッパーが考案した人口増加に対応したアパートメントである。中には、日本の昭和を代表する工業団地のようなアパートメントもあり、新築扱いなのに妙なノスタルジック感があるのがユニーク。
小ネタ
ベルリンでも人気のビール”Schultheiss”のブリュワリー跡地は現在、高級集合住宅地となっており、システムキッチンの付いた最新のアパートメントがいくつも立ち並んでいる。
ところどころにビール工場だった名残りがあり、スタイリッシュな雰囲気とミックスされている。とにかく空いている建物や土地を”何か”に変えてしまうのが得意なのがベルリンの特徴である。ビール工場は最新のアパートメントとなり、プールや船はクラブとなり、廃虚にはアーティストが住みつく。そんな街に住んでいると日本で得た常識とは何だったのか? と考えさせられるカルチャーショックを受ける。