シュプレー川が一望出来るバルコニー付きオフィス
2つ目。外観は退廃したビル、中も退廃感はそのままに、迷路のようになっている。いろんな意味ですごいオフィスを構えるのは、イベントのキュレーションやプロデュースなどを行っているONBA GmbH
ベルリンのクラブカルチャー、アートカルチャー、ファッションなどを歴史的背景と共に、姉妹都市である東京へ伝える役割を担っている。これまでに、AFTER25、姉妹都市20周年記念プロジェクトBerlin×Tokyoなどを主催。ベルリンならではのスタートアップとして日本との交流も深く、政府関係者からクラブ関係者まで幅広い分野からの注目度が高い。
その独創的で、前衛的な発想はオフィスにも現れている。廃虚同然のビルの最上階をオフィスとして使用し、シュプレー川が一望できる広々したバルコニーと繋がっている。夏にはここでBBQパーティーが行われたり、ベルリン在住のクリエイターやアーティストの交流の場となることも。
このビルは、アート系NPOが運営しており、全部で約70のアーティストユニットがスタジオとして活用している。ベルリンは音楽だけでなく、アートへのサポートも充実している。日本でこういったオフィスを構えることは、法律的にも立地的にもまず難しいだろう。毎日の生活の半分以上を過ごす場所さえもマニュアル化されていたら窮屈で仕方ないと思うのだけど。
屋上からベルリンの街全体を見下ろしながら、“自由だ!”、思わずそう叫びたくなった。
(注:2月末に移転。都市開発が進むベルリンでは、オフィスやアトリエの急な移転は日常茶飯事)