ドイツ最大級のシェルターから知る殺処分しない理由
まずは、法律で決められているという理由ある。犬猫を安楽死させる場合、獣医学的所見を中心とした第三者に証明できる正当な理由が必要であるということや、安楽死を決定する獣医師には動物保護に則ったそれなりの知識と経験が求められる。ただ、数が増え過ぎて保護出来ないからなどと言った理由は認められない。
そして、上記にも挙げた「ティア・ハイム」の存在が大きい。日本で言う保健所のようなところであるが、中身はまるで違う。ベルリンの郊外にある「ティアハイムベルリン」は世界的にも有名であるが、ドイツにはこの他にも約500のシェルターが存在する。総面積18万5000平方メートルの自然に囲まれた広大な敷地には、年間約15,000匹の動物たちが収容されており、猫棟、犬棟など専門の棟が存在し、犬には、何と1匹一部屋が与えられている。
高級ペットホテルの様な驚くほど整った環境というのは、正直少々贅沢だと思う点もあるが、1匹ずつ、名前、保護された理由、性格などきちんと管理されており、新しい飼い主を見つけるために役立てている。150名近い従業員以外にも600名ものボランティアスタッフが動物たちの世話をしている。また、施設内には専門の病院もあり、ケガや150病気の治療が行われ、新しい飼い主が見つかるまで無期限で保護されるのだ。
