photo: Brigitte Lacombe © Zaha Hadid Architects
建築は純粋な芸術でもないし、純粋な技術でもない。時代の動きを反映した社会的な存在である。(建築評論家 五十嵐太郎)
アンビルドの女王!?
出典:JSC
東京オリンピック2020のメインスタジアム新国立競技場の設計で日本にも名前が知れ渡ったザハ・ハディド氏。イラク出身のイギリス人である彼女の設計は、独特で再現性が非常に難しいものが多い。ロンドンの大学で建築を専攻し、設計会社で実務経験を経た後に独立したものの、10数年間は設計が話題になるものの建築に至らず、付いたあだ名が「アンビルドの女王」。
しかし、その異名は過去のモノ。現在は、世界中で彼女の独特な建築物が姿を現しています。今回はイギリスにあるザハ氏の建物を紹介致します!
アクアティクス・センター
ロンドンのストラトフォードにある屋内水泳施設。2012年のロンドンオリンピック・パラリンピックでの水泳会場。この時も建設費は当初見積もりの3倍以上になったという。
現在は一般の人も泳げるので、夏でも海水浴はちょっと寒いイギリスで泳ぎたくなったら行ってみましょう!
リバーサイド・ミュージアム
ロンドンから北上しスコットランドのグラスコーにある博物館。交通の要であったグラスコーらしく、車や船などの輸送手段に関する展示が満載の博物館。しかし、展示内容以上に建築物としての博物館自体に一見の価値あり。
ザ・マガジン
- 出典:THE MAGAZINE
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ロンドナーの憩いの場所ハイドパークにあるレストラン。ハディド氏独特の曲線の中でディナーをするのも粋です。隣にギャラリーもあるので、そちらもお勧め!
エヴリン・グレイス・アカデミー
ロンドン南のブリクストンにある中学校。ロンドンで初めてのザハ氏の建築。彼女の代名詞である曲線はないものの、面白いデザイン。
近くに最近賑やかな「ブリクストンマーケット」もあるので、序に見学してみてはどうだろうか。
ロカ・ロンドン・ギャラリー
ロンドンの高級住宅エリア・チェルシーにあるバスルームメーカーのギャラリー。水の動きをモチーフにした滑らかな曲線が印象的な建築。ついバスルームに関心がなくても入ってしまい、買う気がなかったのに買いたくなってしまう危険な建物です。また最新のバスルームのショーケースとしてだけでなく、デザイン好きな方の為のオープンスペースとしても利用されています。
「アンビルドの女王」は過去の名前。現在、ザハ氏の建築物は世界中で見られ、更に新たなプロジェクトも続々と発表しています。建築は芸術であると同時に最新の技術を尽くした社会的な存在。ザハ氏の建築は社会にどんなメッセージを投げかけているのでしょうか?