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パリの最先端本屋「LO/A」が注目される理由

木村真紀 木村真紀


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テーマ性のある展示スタイルが創出する新しい発見

「イメージやカルチャー、アート、音楽といったジャンルに2人ともとても興味があり、今まで取り上げられてこなかったテーマを具体的にしぼることで、まだ知られていない世界やアーティストをより深く共有したいと思いました。各展示では本はもちろん、映画やDVD、レコードなどを通してその世界観を表現しています。例えば2013年10月から開催した『German Kultur』というテーマでは、絶版になっているピーター・リンドバーグの写真集から最近発売されたウォルフガング・ティルマンスやユルゲン・テラーといったフォトグラファーの作品までをセレクションしました。ドイツの文化はファッションのインスピレーションソースになっていることも多く、ミニマリズムやその文化度の深さには以前からとても刺激を受けてきました」とジャンヌさん。

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    「German Kultur」の展示。写真集に加え、ザウアーブルッフ・ハットンやレイウルフ・ラムスタッドといったドイツを代表する建築家の本、世界的ドイツ人ロック歌手、ニナ・ハーゲンの初版レコードや最近話題のダンスミュージックレーベル「オストグット・トン」のレコードなどをセレクト
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    「The Faith of Street」という展示テーマでは、ヒップホップやサブカルチャーと常に関わりの深い”ストリートアート”にフォーカスをあてた。「今まであまり掘り下げられていなかったテーマなので、多くのお客さんにはとても新鮮だったようです」とジャンヌさん

テーマ性のある展示に加え、約70種類を揃える雑誌のセレクションも見逃せません。クオリティが高いこと、世界観がユニークであるということはもちろん、インディペンデントマガジンや小さな出版社の雑誌、部数が少ない雑誌など、ほかでは手に入らないラインナップは「LO/A」ならでは。フォトグラフィー、フード、ライフスタイル、ファッション、スケート、グラフィック、インタ―ネットといったジャンルを中心にオープン以来セレクションの数を増やしています。

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日本の雑誌の取り扱いは都市生活者のための食と農のあり方を探求する「Norah」という雑誌1冊のみ。「日本の世界観やライフスタイルなどはとても好きなのでぜひ紹介したいのですが、日本の雑誌のほとんどが日本語のみでの出版なのでなかなか難しいのが現状です。英語版のものがあればぜひ教えて欲しいですね(笑)」とジャンヌさん。

 さらにもう1つ「LO/A」が特別な理由があります。それは、ブックショップの奥に設けられたギャラリースペース。アーティストのエキシビションやインスタレーション、ポップアップストアなど、自由自在にカタチを変えるクリエイティブスペースとして利用することができます。
 「現在は、ミュージシャンでプロデューサーであるRomain Delahayeの『molécule』という展示をしています(1月15日まで)。冬の大西洋の漁で聞こえる音にこだわったミュージックアルバム『60°43′ Nord de Molecule』のラウンチに合わせた展示で、実際に彼が約1ヶ月の間漁船に乗り、音を収録した様子のビデオプロジェクションや写真の展示などを通してより作品の世界観を深く感じられる構成になっています」(ジャンヌさん)。


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    Romain Delahayeの「60°43′ Nord de Molecule」。漁の音で構成したミュージックアルバムとセットになっている、約1ヶ月の漁の旅を写真とともに綴った日記もおもしろい。(C)Maxime Dubois

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    同アルバムのラウンチに合わせて開催されている「molécule」。漁の様子を収録したビデオプロジェクションや写真の展示を通して、制作プロセスがより明確に伝わる構成がユニーク。(C)Maxime Dubois

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