南米や中米を旅していると、スペインの植民地だった歴史背景からそこはもうスペイン語の世界。英語が通じないとは聞いていたけど、本当に英語が通じないから困ったもんだ。
そこで、結局使わざるをえなくなるのがスペイン語。大人になってからの語学勉強って厳しい。なんて思ってたけど、発音とか結構カタカナっぽくてハッキリしてるし、意外と英語より簡単かも? それに、意味は違うけど、音は日本語と同じのものもあるから覚えやすい。でも、なんでかな。日本語と同じ音のスペイン語、ちょっとオカシイんです(笑)。
ブス
もう、これ一番声に出したと思います。
「ブス! ブス!」
これバスのことだから。まあスペル「bus」ですからね。ある意味一番ローマ字どおりで発音に忠実な気がする。南米の大きな大陸を移動するのに、必ず使用する交通手段は長距離バス。ですから度々使う単語です。
「ブスどこ?」
「ブス何時に来る?」
何かとそう言いながら、違和感。なんか自分が性格の悪い女になった気分でした。でもブラジルに行った時なんか、もっとヒドイです。ポルトガル語では、「オニブス」です。鬼ブスて…。でもスペイン人もブラジル人も本当に美人ばかりです。
消えろ?
「消えろ、アホ!」とか言われたら泣いちゃいますけど。安心してください。意味違いますよ。「キエロ(quiero)」はスペイン語で「好き」とか「欲しい」って意味。「テ・キエロ」と言えば「あなたが欲しい」とか「あなたが好き」なんていう素敵な言葉なんです。
ちなみに「アホ(ajo)」は「ニンニク」。「キエロ、アホ」と言えば「ニンニク欲しい」って事で落ち着きます。私は「キエロ、バカ」と言いたいです。「バカ(vaca)」は「雌牛」のこと。私、バカ大好きです。食べたい。
パエリア? パエリヤ? パエーリャ? パエージャ?
スペイン料理代表と言えばパエリア。
「paella」と綴りますが、スペイン語の「LL」は「リャ行」または「ジャ行」に近い音になります。なので、「パエーリャ」でも「パエージャ」でも間違いではないんですね。また鶏のことを「Pollo」と書きますが、発音が「ポリョ」とか「ポジョ」とか言うんです。
南米ペルーもまたスペイン語なんですが、そこでは「ジャ行」より「リャ行」の方がイケてるんだとペルー人が言ったそうな。「ジャは田舎者の発音だよ~」と、言っていたそのペルー人も田舎者だったそうですが。一重にスペイン語と言っても、南米のものとヨーロッパのものも違うらしいです。イギリス英語とアメリカ英語みたいなもんでしょうね。
それからスペインにはカタルーニャ語ってのもあって、これまた違うみたいです。方言のようなものですね。とりあえず、「LL」の綴りの場合はペルー人を信じて「リャ」って言っておこうかな。なので私は「パエーリャ」派です。
実は、私オカマです
ある日カリブ海を旅していると、空港のイミグレで止められちゃいました。
「アナタ、自分の事分かってる? アナタはオカマなのよ?」
ガーン。そりゃー、結構IKKOさんに憧れてるし、オカマちゃん好きだけどさ。私、ずっと自分のこと、正真正銘の女だと思って生きてきました。それがオカマだったなんて。
「『maricon』ってオカマの事だから。覚えておきなさい!」
あ、そういう事か。わたくし、本名はマリコなんですよ。だからスペイン語だとオカマちゃんなんです。それにしてもイミグレでわざわざ引き留めてまで教えてくれなくても。こうして数々の変な日本語と同じ発音のスペイン語と接してきましたが、まだまだありそうですね。