フィクションはもとより、ノンフィクションだって上手くいきません。
「バックコーラスの歌姫たち」は、歌が好きで仕事にしたものの、フィル・スペクターに騙されるわスキル的にはスターたちと同等、あるいは遥かに上であるのに不当な扱いを受けるわ、バジェットの関係で最近あまり仕事がないなど大変そうでした。
出典:IMDb
「アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち」なんて忘れ去られたバンドが再起を図るも、人間関係やらお金の関係やらで問題だらけでした。ちなみに「スティル・クレイジー」という映画があるのですが、こちらは上手くいったアンヴィルのストーリーといった具合の佳作ですのでぜひ観てみてください。
出典:IMDb
このように、架空の世界でも、現実世界でも、好きなこと、なりたかった職を仕事にすると、好きなことばかりやっていたのでは立ち行かないという問題に直面します。そして、現実世界ではその問題の多くは映画と違って誰も観測してくれません。
本当に好きなことを仕事にした人は
ちょっと余談ですが、好きなことを仕事にするって、どういうことなのでしょうか。私が見聞きしたケースによれば、本当に好きなことを仕事にした人は、仕事以外で好きなことをしている場合が多いように思えます。
たとえば、イラストレーターの人は仕事の合間に自分の好きな絵を描いていますし、ミュージシャンの人はライブツアー、レコーディングの合間を縫って趣味のバンド組んでいますし、何ならギター練習の休憩中に息抜きにギター弾いてます。映画の撮影監督の人は現場に行って撮って、学校で映像に関しての教鞭を取って、趣味で足繁く映画館に通っていますからね。
「好きなこと」っていうのは、程度にもよりますが、本当はこんな感じじゃないのかなと思います。しかもみんな、意識してるんじゃなくて、無意識にやってるんですよね。こう考えると、本当に好きなことを仕事にしてる人って、あんまりいないんじゃないでしょうか。