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大人が書く税の作文『税金を払ってでも守りたい、この地球(ほし)』

加藤広大 加藤広大


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『税金を払ってでも守りたい、この地球(ほし)。』加藤広大 

税金を払うのは辛い。

しかし、辛いからと言って、払わないとどえらいことになる。

まず、手紙が来る。最初は穏やかな口調だけれども、だんだんキレ気味の手紙が届く。最後には「もう、お宅の口座から引き落としましたんで」と事後報告がやってくる。

ときには税吏がやってくることもある。

「国税局の者なのですが」

数年前のある日、寝ぼけ眼で玄関のドアを開けると、安物のスーツを着た男が私に告げた。

数秒、さまざまな思考が頭を駆け巡る。

払っていない税金があるのか。いや、住民税は払っているし、何かを相続したわけでもない。特に思い当たる節はない。それともコイツはアレか。詐欺師で「市役所の方から来ました」的に怪しい確定申告ソフトでも売りつけようとしているのか。はたまた新手の宗教か。

男は続けて尋ねてきた。

「スティーブンさんでしょうか?」

私の名前は加藤である。一文字も合っていない。念のために聞いた。

「私、外人に見えます?」

「いえ、見えません。この家の家主はスティーブン・◯◯さんですよね? 実は、スティーブンさんが税金を滞納したまま連絡が取れなくなりまして・・・・・・」

なるほど、大家が税金滞納していたのだ。

その後、スティーブンの連絡先や、家賃の振込先を教えたりと、かなりの手間がかかった。

このように、税金は払わないと他人にも迷惑をかけることになるのだ。

近しい人間だけではない。

想像してみよう。たとえば、私が税金を滞納した場合、ちょっぴり税収が不足し、インフラ予算を削るわけにはいかないので、森林を守る活動にしわ寄せがいき、結果日本国内の森林が減少、そのため水が括弧し、井戸は枯れ、作物は育たなくなり、あっという間に砂漠化が進み、人々は水を求めて争い、国は分裂し、国家としての体裁を成さなくなり、ほんの一握りの資源を専有している者が、砦に居座り太鼓を叩いたり、ギターを弾いたりしながら持たざるものを
蹂躙じゅうりんする。そう遠くない未来、かつて緑多き国であった日本は滅亡を迎えることとなるだろう。

風が吹けば桶屋が儲かる。税金を滞納するとイモータン・ジョーが出てくる。私の滞納で日本がヤバい。

税金を払うのは嫌だが、日本が荒野と化し、マッドに塗れてしまうのはもっと嫌である。私が少し我慢をして、しっかりと税金を払うことにより、少しは世の中が平和になると思えば、払う甲斐もあるというものだ。そして、私のような心持ちの人が少しでも増えれば、税収も増え、人々が一滴の水のために争うこともないカインドネスに溢れた世界が創られるのだ。

私は緑を守りたい、水を守りたい、そして、生きとし生けるすべてのものを守りたい。

日本のために、地球のためにも頑張って働いて、税金を納めようと思う。

ラブ・アンド・ピース。

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