西暦2000年頃のインターネット
私がはじめてインターネットに触れたのは2000年あたりで、高校生の頃だった。あの日に帰りたい。
思わず松任谷由実の曲名が口をついて出てしまったが、私がはじめて購入したPCのOSは、かの悪名高き『Windows Me』だった。一体なんだったんだあれは。
当時はまだTwitterもFacebookも、YouTubeだって、mixiだって生まれていない。とても牧歌的な時代である。
1999年には「2ちゃんねる」が開設され、ヤフオクがはじまり、翌年にはライブドアがインターネット接続サービスを開始し、2001年には先行者やヒットマン事件簿でお馴染み、テキストサイト「侍魂」が爆発的なブームを巻き起こした。と書くと、ピンとくる方も多いのではないだろうか。
懐かしいと同時に、そんなに長くネットをやっていたのかと、どれだけ時間を無駄にしたのかと、思わず後悔しそうになるが、涙を流してばかりでもいられない。
その頃のインターネットはまだまだ「やってる人はやってる」と言った感じで、今とはまったく違う空気感が醸成されていたと思う。
つまり、ネットの中と現実世界の隔たりが明確だった。今ではほぼ一緒、というよりは現実がネットに近づいている気がしないでもない。
HTMLは手打ち、右から流れてきたり点滅したりするテキスト、キリ番、レンタル素材、CGI。私もサイトを作ったことがあるが、検索してみたところ跡形もなく消えていた。本当に良かったと思う。
さらに、ちょうどファイル共有ソフトや、もせ3、尻、割れ、など、アンダーグラウンド(笑)なツールや何やらが、わらわらと蠢いていた頃でもある。
ちなみに、ファイル共有ソフトやMP3関連の話は、音楽のみならず、世界が無料化していく経緯を、史実なのにネタバレを一切許さないという恐るべき構成力と取材力で書き出した『誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち』(スティーヴン・ウィット著/関美和訳/早川書房)に詳しく書かれている。
物凄い本なので、ぜひ皆さん読んで欲しい。