シチュエーションを考える。ヤスコを家に誘い込むタカシ
さて、今回も画像を加工せねばならないシチュエーションを設定しましょう。
毎度のことながら、まずは以下の写真をAdobeStockにて泣きながら自腹で購入しました。
ヤスコ(21)
いかにもな証明写真ですね。彼女の名前をヤスコとします。そして、もうひとりの登場人物として、前々回登場し、マリコの記憶から跡形もなく消された浮気男、タカシに出演してもらいましょう。今回はタカシがヤスコを家に連れ込むために、画像加工を請け負う設定にします。
マリコとの恋愛が終わり、元カノ(雑貨屋店員)にも彼氏ができてしまい、下半身を持て余していた性欲の権化タカシは、悶々とした日々を過ごすなか、後輩のヤスコから居酒屋で就活の相談をうけていました。ちなみにタカシは就活したことがありません。ということは、そんなタカシに相談したヤスコも、どれだけオブラートに包んでもバカです。
うずたかく積み上がったレモンの皮を横目に、9杯目のレモンサワーを注文したヤスコは、ふと思い出したように叫びました。
「あー! あたし就活用の証明写真撮らなきゃ!」
証明写真、という単語にタカシは反応します。なぜなら、タカシは就活こそしたことがないものの、先祖代々続いた地主の家系で、本人もマンションの家賃や駐車場収入で生計を立てており、最近では新しい試みとして、ノーリスクではじめられるサイドビジネスとしてわずか月々2,000円ほどの電気代のみでメンテナンス不要な証明写真機の設置をしたばかりだったからなのです。
「お、証明写真? 証明写真撮っちゃう? それなら俺の証明写真機で撮っていいよ。うちのKi-Re-iは写真スタジオのライティングを応用してストロボが顔全体にあたるように最適設計されているんだ。左右アクセスフリーで椅子の高さも調整不要だぜ」
「えー? 本当ですかあ? っていうかあ、先輩証明写真の機械もってるとかキモいんですけど」
後半の部分のみ馬耳東風したタカシは、証明写真機がいかに素晴らしいかを語り続けます。
「本当だよ。新品だよ。ちなみに、現在日本で撮影されている証明写真は年間6,920万ショットとも言われているんだ。皆やってるんだからさあ、ヤスコも撮るなら気心知れた人が持ってる証明写真機で撮ったほうがいいんじゃないかな?」