タバコは秘密の恋人。背徳感があるからこそハマる
私は、自分が喫煙者であることを10年間誇ることはなかった。有害な煙を大気に吐き散らしていることを考えると、胸を張れる存在ではないだろう。だから「タバコ大好き」なんて言ったことはなかった。フィルターに火を灯すときは毎回、薄暗い気持ちにさえなる。そんな世間の嫌煙ムードのなか、友人の潔い発言は清々しく感じた。そこで、一つ浮かんだことがある。
「タバコって、秘密の恋人みたいだな」と。
秘密の恋人は、本命とは別の二人目の存在。世間的には許されるわけではなく、人によっては不快に感じる。またその気配を知らない他人に感じさせてはいけない。
タバコも同じように、どこでも吸えるような許された存在ではなく、煙と匂いは他人に不快感を与える。そして、それを他人に感じさせてはいけない。
そして2つに共通することは、友人に話した際一言目には「早くやめたほうがいい」とアドバイスされる、ということだ。
しかし、タバコが秘密の恋人のような存在だからこそ、やめられない理由は更に増える。
- 緊張したときや不安定なときに、落ち着かせてくれる
- 本命が忙しくて連絡を取れなくても(タバコを吸っていれば)寂しくない
- (喫煙が)制限されているからこそ欲してしまう
- 同じ境遇を共有できる人と出会うと、仲間意識が芽生えて仲良くなれる
- (タバコが)まだ必要と感じてしまう
ただ夢に溺れるのも束の間、これらは正論を振りかざせば淘汰されてしまう。